――懐かしいね。長いようで短い三年間だった。
――ですね。思い返すと、色々なことがありました。
――本当に……何か急に老けた気がするよ。
――何言ってるんですか。お父さんに比べればまだ若いです。
――あはは、そりゃそうだ。まだまだ、だね。
――そうです。だから……これからも、続くんですよ。
――うん。一緒に、幸せになろう。
――はい。たくさん、たくさん幸せになりましょう。
prologue ねえ、初めて会った日のことを覚えてるかな? 少しだけ可笑しくて、少しだけ情けない、そんな出会い。 私はきっと、一生忘れないと思う。 愛しい人のぬくもりに触れるきっかけになった、幸せな日々の“始まり”を。 first season:start one,日常始点 はじまりの日/1--2/ 二人目の少女/1/ 雪に想う/1/ 春近く冬遠ざかり/1/ two,春静かに 外に見る風景/1--2/ 鳥が帰る家/1--2/ 空が見えない/1/ three,鈴鳴り 現場にて/1/ かぜのおと/1/ パンを買いに/1/ 宴会騒ぎ/1--2/ 夏祭り/1--2/ four,ただ、ひとつ 羽ばたくは空の下/1/ まだキミは歩まない/1/ 桜葉亭の一日/1/ 星巡る/1/ いちねんめのなかがき 例えばこの世界で、私だけが苦しい思いをしているわけじゃなくて。 誰もが色々な気持ちを抱えながら、日々を生きているんだよね。 目を逸らしたくなるようなこともいっぱいあるけど。 きっと、私達にできるのは――“理解するだけ”なんだ。それだけでいい。 second season:only understand one,手紙は引き出しの中 あの日々を思い出す/1/ 忘れられない、でも忘れたい/1/ もうその手は届かないけど/1/ 真っ直ぐ、歩いて/1/ two,桜散り風に舞う 時間過ぎ行く/1/ 風邪、ひきました/1/ さくらぞら/1/ three,星空白く夜に映える 夏のきっかけ/1/ それぞれの過ごし方/1--2/ あめあがる/1/ four,空っぽの鳥籠 さよならも言えないで/1/ ずっと、待ってた/1/ 言えなかったことば/1/ にねんめのなかがき 必ずしも、答えは一人で出さなきゃいけないわけじゃない。 誰かに頼ること。願い、支え、繋がること。 自分自身の弱さを認めて、その上で乗り越えようとすること。 そういう“ありふれた強さ”を、きっと誰もが持ってるんだと、私は思う。 last season:ordinary strength one,未来と過去の話 夢の在り処を探す道/1/ 雪降る日の記憶/1/ two,受け止める勇気 失って得るもの/1/ 未来に続く過去/1--2/ 家族の話/1/ three,ひだまりのこころ 星の願い/1/ 渡れずの河/1/ ひとかけらのぬくもり/1/ ひなたのいる場所/1/ four,歩んでいく先 感謝を/1/ epilogue/みんなのいる日常 あとがき 何かあったらどーぞ。 index |