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COSMOSPHERE
MULE LEVEL |
9 |
思わず、声を上げてしまった。 あれだけボロボロだった世界は第五階層までの光景を取り戻している。ところどころで深さを増した緑が茂り、人の活気めいたものも感じる。建物もどうやら完全に復旧してるらしかった。何より大きな変化は、丘に佇む桜樹が、満開の白い花を咲かせてることだ。 よかったな、と思う。何度死にそうになったかわからないけど、これを見られただけで、今までの苦労が全部報われた気がした。 ここまで来たんだ、襲われたりするようなこともないだろう。暖かい陽射しの中、俺はひとまずストーンヘンジを後にする。 歩く道も、左右に立ち並ぶ家屋も、廃墟になってたのが嘘みたいだった。時折行き違う人にほっとした気持ちを抱きつつ、商店街の方に出る。 不揃いに建っていた無数の墓の面影は、どこにもない。 昼の時間、店の人と買い物客でかなり賑わっている。なるべく邪魔にならないよう通りを抜け、丘をぐるりと迂回して自宅に足を運んだ。 ……随分久しぶりだなあ。 苦笑しながら鍵を開け、靴を脱いで中に入る。空けてからどれだけ経ったのか、住人不在だった室内にはそこそこ厚い埃が積もっていた。 ふと、テーブルの上に視線をやる。 雑な感じで畳まれたシャツとズボンが、無造作に置かれていた。 「あー……やっぱそういうのは苦手なんだろうな」 何となくそうしなきゃいけないように思えて、整えることなくそのまま箪笥に仕舞う。 もう用はなかった。表に出て鍵を閉め、今度は学園に向かう。 途中、私服姿の織香と会った。 「え、ら、頼奈!?」 「おう。そうだけど、どうしてそんな驚いてるんだ?」 「当たり前だよ! 二週間くらい前から行方不明になったって聞いてたんだよ!? 家に行っても全然出てくれないし、学校にも連絡ないっていうし……しかも塔ヶ崎さんまで来なくなったから、二人ともあの事件に巻き込まれて行方不明になったのかって……」 うわあ、そんなことになってたのか。 途端に申し訳なくなり、頬を掻く。 実際あったことを話すのは簡単だろうけど、あんまりにも荒唐無稽で、信じてもらえるはずもない。あるいは織香なら、という楽観は忘れて、どう説明したものかと無難な言葉を探した。 「あー、えっと……塔ヶ崎さんの、家庭の事情絡みでさ。色々あって俺も関わることになっちゃったんだよ。それでまあ、ちょっと遠いところに行ってたから、しばらく連絡もできなかった」 「家庭の事情、かあ。その辺詳しく……は、やっぱり教えてくれないんだよね」 「悪い。俺だけの話じゃないからな」 「ん、わかった。そういうことで納得してあげる。学園の方は、また明日から来るんでしょ?」 「一応そのつもりだけど」 「じゃあ、お昼に飲み物奢りね」 「……オッケー」 寛大な処遇に感謝します、なんて茶化して、二人して笑う。 それからいくつか、俺がいなかった間の出来事を聞いた。 結局行方不明になった生徒は見つからなかったこと。今も捜索は続けられているらしいということ。頼奈と美羽のためにちゃんとノートを取っていること(織香のノートで役に立つかどうかはともかく)。不在のうち、美羽に対する嫌がらせが鳴りを潜めたこと。 織香と別れて、俺は学園にも少しだけ顔を出した。といっても今日は休み、部活で来てる生徒がちらほらいるくらいで、人気は少ない。 幸い制服姿だったので、中にはあっさり入れた。 誰もいない教室を覗く。光の射し込む窓際、美羽の机は、外からだと他の席に紛れて目立たない。 がら、と引き戸を閉めた。 「……そうなんだよな」 誰が抜けても、現実は当たり前に続いてく。 けれど、やがて埋もれてくんだとしても、なくなったものは還ってこない。美羽をいじめてたあの女生徒達が行方不明のままなのと同じように、都合良く自分の過ちだけをなかったことにはできない。 事件の痕跡が残ってるのは、きっと美羽が望んだからだろう。 それは美羽なりの悼み方で、悔い方なのかもしれなかった。 ひっそり学園を去り、最後の場所を目指す。 東側の階段を上がっていき、やがて頂上に着く。 ひらひらと花びらが舞う桜樹の根元に、予想通り美羽はいた。 「随分捜し回ってたみたいね」 「最初からここにいると思ってたけど……え、見えてたのか?」 「そんなわけないじゃない。ただの推測よ」 隣に立って、そこからぐるりと広がる街の全景を見下ろした。 荒れ果てた場所はもう、どこにもない。 綺麗な世界だ。 そう思うと、何だかすごく感慨深かった。 「“わたし”は、この世界が好きだった。人間達が、好きだったわ。それはどの“ミュール”も捨てられなかった気持ち。好きだから憎んだし、償おうと思った」 「……ああ」 「今ならはっきりとわかる。全ての人格を統合した“わたし”の胸には、憎しみと愛しさ、苦痛と幸福が同在している。矛盾した複数の感情を、ただ、ありのままに抱えるのが――心を持つということ、なのね」 「いや、そこまで難しく考えるようなことじゃないだろ。生きてるから色々悩んだり思ったりするんだ。俺も、美羽も一緒で、何も変わらない」 「……そうね。単純な話だわ」 花を巻き上げる風が、流れる長髪を靡かせる。 それを片手で軽く押さえながら、美羽は静かに瞼を落とした。 一瞬、全ての音が止んだように錯覚する。 けれどすぐに、足下でじり、と土を踏む音を聞いた。 その時にはもう、美羽は目を開けている。 「ライナー」 「ん? ……頼奈って呼ばないのか?」 「お芝居はここまでよ。今あなたとわたしが見てる、この景色がハッピーエンド。明日から二人で復学して、日常に再び還る――それがわたしの組み立てた物語の終着点」 「まあ、そっか。そこまで付き合う必要はないよな」 「現実の記憶を持ち込めてるのも、登場人物になりきる必要がなくなったからよ。もっとも、さっきまでは自分からなりきってくれてたみたいだけど」 「う……いやほら、続きっぽかったし、そうしなきゃいけないのかなー、と」 実はちょっとノリノリだった分、我に返ると恥ずかしい。 そんなこっちの心境に気付いてるのか、薄く口元を緩めた美羽――ミュールは、おもむろに俺の手を取った。 流れが自然過ぎて反応できなかった。 「さて、じゃあ行くわよ」 「行くって……どこに?」 「廃墟の森。アヤタネが待ってるわ」 「説明が足りてな、うおっ、いきなり引っ張るな転ぶって!」 つんのめりながら、ミュールと一緒に丘を下りる。 こころなしか、歩みは弾んでるような気がした。 「……あれ、こんなもんあったっけ」 「前はなかったわね」 深い森に分け入った先、あの拓けた場所に建てられたものを見つけて、しばし呆然とした。 小さな教会だった。 誰も寄り付きそうにないところにぽつんと佇んでるのが、何とも周りの景色に不釣り合いというか違和感バリバリというか。正直、どう反応していいのかもわからない。もしかしてこれは冗談の類なんだろうか。 直面した状況に頭を悩ませていると、僅かに開かれた表の扉からアヤタネが出てきた。 「二人ともよく来たね。儀式の準備はできてるよ」 「儀式?」 「……その様子だと、母さんからは何も聞いてないみたいだね」 「わたしが話さなくてもあなたが教えるでしょ」 いきなり会話に付いていけない。 置いてけぼりにも程がある。 「……おーい」 「ああ、ごめんライナー。それじゃ説明しようか」 「頼む」 「何となく感付いてるとは思うけど、実質ライナーがダイブできるのは今のレベルまでなんだ。おめでとう、ここが最後の階層だよ」 「そっか。なるほど、世界ががらっと変わった……というか戻ったのも、そういうわけだからか」 「とりあえずその認識で問題ないよ。本題はこれから。ライナー、君がこの階層に辿り着いたということは、つまり母さんが君に全てを晒け出したということでもある。何もかもライナーに見せてもいいと母さんが思ったから。……僕が言ったことの意味、わかるかい?」 アヤタネの言葉に、俺は無言で頷いた。 それはきっと、とんでもなく重い“特別”だ。 「綺麗な部分も醜い部分も、忌まわしい過去の記憶も、余さず母さんは君に提示した。剥き出しの、裸の心に、ライナーは触れてるんだ」 「………………」 「だから、ライナーには誓ってほしい。これより先、君が母さんを護り、助け、支え、共に生きていくことを。勿論強制はしないしできないけど――」 「いや。誓うよ。死ぬ思いをして来たんだし、それに……」 「それに?」 「ここまで“踏み荒らした”んだから、ちゃんと責任は取らないとな」 確かに、殺されかけたこともあった。しんどくて、止めてしまおうかと考えたこともあった。 けれどミュールは、そんな俺を信頼してくれてたんだと思う。でなきゃ昔の話もしてくれない。本音をぶつけてくれない。助けてだって、くれなかったはずだ。 受け入れられてる。 そう感じるのは、錯覚じゃないだろう。 俺の答えにアヤタネは満足したのか、嬉しそうに目を細めた。 「ありがとう。じゃあ、母さんも準備はいいかな」 「ええ。ぱっぱと済ませるわよ」 しばらく口を開いてなかったミュールが先行する。きぃ、と軋んで開いた扉の向こうは、前にネモの教会でも見たようなレイアウトだった。ただ、もう少しこじんまりとしてる。 当然と言うべきか、他に人はいなかった。そのまますたすたと歩いていったミュールは、奥の小部屋に姿を消す。またも説明なしな状況に困惑し、どういうことかとアヤタネに訊ねかけて、何気なく小部屋から出てきたミュールの格好に滅茶苦茶びっくりした。 「……へ?」 「別に驚くこともないでしょ。ここは教会なんだもの」 「ミュール、それって」 「あなたには何に見える?」 「喪服にしかあ痛ぁっ!」 「何に見える? 二度目は殺すわよ」 「ウェディングドレス、でしょうか……」 華美ではないものの、細身のミュールによく似合ったドレス。ヴェールの頭頂部と胸に添えられた赤薔薇の飾りが目に映える。……これで色が白だったら、それはもう見事なウェディングドレスだろう。白だったら。 全身、薔薇以外は真っ黒。青白くすらあるミュールの肌にはぴったりだけど、間違っても教会に着てくるような衣装じゃなかった。 ……まあ、でも。 素直に普通ので来るよりは、ミュールらしいか。 事ここに至って、俺はようやく状況を飲み込めた。 ドレス姿のミュールと教会。アヤタネの言う儀式。 「なあアヤタネ、儀式って……」 「だいたい想像通りだと思うよ。これから行うのは“完了の儀式”。互いの絆を認め合い、確固たるものにするための手順、と言えばいいのかな」 「……結婚式ってわけじゃないんだよな?」 「心配しなくても、そこまで気負う必要はないよ。服装も今の制服姿で大丈夫。ただ、自分の気持ちに正直でいてくれれば」 「自分の気持ち……」 そっか。 儀式って聞いて変に緊張してたけど、アヤタネのひとことで肩の力がいい感じに抜けた。 結局俺には、真っ直ぐぶつかってくことしかできない。 なら、最後までそうしてよう。難しく考えたって駄目だ。 一歩。ミュールの隣に並び立つ。 薄いヴェールに透けた、見慣れた横顔。 こっちの視線に気付いたミュールが、すっと俺と目を合わせる。 「先に言っておくわ。わたしは今でも、人間への憎しみを捨ててはいない」 「……たぶんそうだろうな、とは思ってた。そんな簡単に捨てたりできるはずないもんな」 「ええ。だから、もし“人間を憎むわたし”が認められないなら、ここでコスモスフィアから去りなさい。でなければ、遠からずわたしはあなたをも殺しかねない」 「ミュール……俺のこと、気遣ってくれてるのか?」 「……違うわよ。あなたに死なれると困るってだけ」 「大丈夫だ、っていうか今更だろ。それくらい受け入れられなきゃ、ミュールのそばになんていられないし」 「いきなり後ろから刺したりするかもしれないわよ?」 「その時はしっかり止めてやるさ。それに、万が一死にそうになっても、ミュールが助けてくれるって信じてるから」 「……極めつけの馬鹿ね。でも――だからこそ、わたしも信じられる」 さらに一歩。足並みを揃えて、祭壇で待つアヤタネの前に踏み出す。 牧師代わりの心の護は、俺達を微笑で迎えた。 「では――ついにこの時がやってきました。ミュールは、幾多もの困難を乗り越え、果てしないパラダイムシフトをし、ここまで辿り着きました。そして、ミュールの全てをライナーは受け入れ、今ここに二人は立っています」 こほん、と微妙にわざとらしく咳をひとつ。 それからまずミュールに視線を移し、 「ミュール・テイワズ・アルトネリコよ」 「はい」 「そなたは、そなたの持つ心の全てをライナーに預け、嘘偽りない己を、彼に捧げてきたことを誓いますか?」 「……誓います」 今ちょっと言うの躊躇ったな。 思わず渋い顔のミュールに頭の中で突っ込むと、今度は矛先がこっちに向いたので慌てて気を引き締め直した。 「それでは次、ライナー・バルセルトよ」 「はい」 「そなたは、そなたと分かち合った娘、ミュールを後生大切にし、常に深い絆の元、これからも分かち合い続けることを誓いますか?」 「はい。誓います」 横目でぴくりと頬が引きつったミュールを捉えて、お互い決まらないなと思う。 おかしなところだらけの俺達だ。 それでも、誓いだけは違えない。 「最後に、両者の誓いが成立しましたので、契約の抱擁を……」 「……は? 抱擁?」 「抱き締め合うことだよ」 「いやわかってるけど!」 辛うじて真面目だった空気が一瞬で崩壊した。 「結婚式なら口付けをする場面だからね。それに比べればまだ恥ずかしくないんじゃないかな」 「……えーっと、その、ミュール」 「しないわよ。誰が考えたのかは知らないけど、儀式の成否に直接は関係ない、ただの慣例だもの」 「だよなそうだよなしないよな。うん、ミュールならそう言うと――」 我ながら必死な調子で流そうと喋っていたところに、いきなりくいっと襟を掴まれて引っ張られた。 頭が下がり、背の低いミュールと同じ目線になる。さらに距離が縮まって、間近に迫った暗赤色の瞳が閉じられ、鼻先が擦れ合い、抵抗する間もなく、 「んむっ!?」 触れた唇はすぐに離れた。 呆然とする俺の前で、そっぽを向いたミュールが小声で呟く。 「……どうせやるなら、この方がよっぽど“らしい”でしょ。別に初めてってわけじゃないんだし、抱き合うんじゃライナーの間抜け面が見られないわ」 「お、おま、お前な……!」 あんまりな言い草に反論しかけ、そこで気付いた。 逸らした顔が、ほんのり赤い。 余裕ある風を装ってるだけだとわかって、ついにやついてしまうのを抑え切れなかった。当然悟られて睨まれたけど、薄く染まった頬のせいで全然凄みがない。 「く、ぷふ、ははっ」 「……何が可笑しいのよ」 「ああ、悪い。別にミュールのことを笑ってるんじゃなくてさ」 こうするのをずっと考えてたのかな、とか。 なかなか踏ん切り付かなかったんだろうな、とか。 恥ずかしいのを我慢してやってくれたんだな、とか。 そう思うと、嬉しい。嬉しくて、儀式なんて関係なく抱き締めたくなる。さっきされたのと同じことを、やり返したくなる。 「お前って、とことん素直じゃないよな」 「ふん。……今更素直になんてなれないわ」 「変わってくれだなんて言うつもりはないって。俺はそういうミュールが好きだから」 「あなた、歯の浮くような台詞が本当に似合わないわね」 「うっさい。自覚はあるっての」 「……二人とも、そろそろ先に進めるよ?」 やんわりアヤタネに会話を中断されて、慌てて姿勢を戻した。 正直忘れてたのを心の中で謝っておく。 「まあ、若干形式が変わったけど、これで承認の儀式は終わりだよ」 「ん? 承認の儀式? 完了の儀式じゃないのか?」 「まだもうひとつやることが残ってるんだ。母さん」 困惑する俺に意味ありげな笑みを浮かべて、ミュールは窓の向こう――今まで一度も寄ることのなかった場所を見つめた。 「ええ。いのちの塔へ行きましょ」 実のところ、いのちの塔自体はどの階層にも存在してたらしい。途中までは仮想世界補正で意識しなかったというかできなかったし、第六階層以降も一応あるのは知ってたけど、特に用もなくて近付きすらしなかったわけで。 だからこうして足を運ぶのは、初めてだった。 「オリカやミシャと変わりないんだな」 「当たり前でしょ。いのちの塔はアルトネリコとコスモスフィアを繋ぐラインにして境界。ベータ純血種だろうが第三世代だろうが、機能に違いはないわ」 「そう。そして最深部に到達したレーヴァテイルは、例外なくここで儀式を完了する。二人が来れる限りでは一番深いこの階層が、バイナリ野に最も近いからね」 「難しいな……。要するにどういうことなんだ?」 「導力炉に直にケーブルを繋いで、引っ張ってきたエネルギーをそのまま使えるって感じかしら。とりあえず、シュレリアみたいなことができるようになると思いなさい」 なるほど、さらに強くなるのか……。 喜ばしいのは確かなんだけど、素直によかったと言えないのは何故だろう。 「では母さん、いのちの塔に触れてください」 そんな俺の心境は露知らず、どこか嬉しそうなミュールが開いた右手を掲げる。 ぺたりと門の部分に手のひらが置かれた瞬間、塔側から光が流れ込んできた。広がったそれは、溢れて無数の珠になる。 しばらく周囲に散った光はやがて治まり、静けさが戻る。何というか、随分呆気ない。 「どうですか。正規の手続きで結線した感想は」 「慣れた感覚ではあるけれど、こっちの方が心地良いわね。……ふふ、これでわざわざハッキングをしなくても、大出力の詩魔法が扱える」 「やっぱりハッキングはしてたんだな……」 「今は身体があるから、一手間も二手間も掛かって面倒なのよ。自前で引っ張ってくる方が断然楽だわ」 ……もしかしなくても俺、早まった? 軽く後悔し始めたところで、不意に手を下ろしたミュールが振り向いた。 「ともかく、これで儀式も全て終わり。ま、よく頑張ったと思うわ」 「いや、こっちこそ、ミュールの協力がなきゃ絶対ここまで来れなかっただろうからさ。色々、ありがとう」 「……ライナー」 「ん?」 視線が泳ぐ。 もどかしげに俯いて、唇を開きかけ、止め、苦々しい表情を見せ、軽く呻き、それでも最後には顔を上げて目を合わせて、 「ありがとう。……す、好き、よ」 そう、言ってくれた。
Ma num ra chs pic wasara mea,
en fwal syec mea. Was yea ra chs mea yor en fwal en chs hymme. ミュールのコスモスフィアLevel9を完了しました。 コスチューム:ダークローズを入手しました。 習得詩魔法:アルトネリコ(分類・赤魔法|効果・第一塔の導力直接放出。天から複数の光柱が広範囲にわたって降り注ぐ) 習得詩魔法:シルヴァホルン(分類:赤魔法|指向性を持たせた神の咆哮。シュレリアよりも出力は高い) 「素直になるのも難しいものね」 「別にあそこまで無理しなくてもよかったんじゃ……」 「ギャップ萌えは大事なのよ。わたしみたいなのがたまにやるからいいんじゃない」 「自覚はあるんだな」 「…………もう二度と言わないわ」 「ごめん謝るからこれっきりにするのだけは勘弁してください」 「冗談よ。別に……嫌じゃないもの」 back|index|next |