昔に比べて、私はさらに多くの本を読むようになりました。 ジャンルも随分手広くなり、各地から選りすぐったもの全てに目を通しています。 その中でも大変興味深いのは、やはり創作物でしょうか。 内容が現実には体験し得ない物語ばかりで、つい時間も忘れて感情移入してしまうのです。 ……理解し難いものも、いくつかありましたが。 そういう知識を増やしていると、どうしても、仮想世界に適用できないかと考えてしまいます。 いえ、先日私はライナーに「ゲームはこれで満足」と言ったのですが、その。 違うのです。それとこれとは話が別なのです。 私にはコスモスフィアが存在しません。 ある意味では塔そのものである私は、精神世界も無機質なバイナリ野でしかないので。 でも、そんな私にとっても、ダイブという行為は、ダイブさせるということは特別です。 ライナーにしか見せられない。ううん、ライナーにだけは見てほしい。 だからきっかけを、理由を作れば、時々はライナーも私にダイブしてくれるのだと思います。 心をコスモスフィアという形で晒せない私は、ダイブを許すことで心も許しているのだと証明したいのです。 こればかりは、いくら言葉にしても、伝わるものではないのですから。 ……それに、こんなことライナーに言ったって、絶対私の気持ちには気づかないに決まってます。 ライナーを困らせるのは本意ではありませんし。 私も前回の仮想世界は大変楽しむことができましたので、もっと別のものも体験してみたい、というのが本音ですが。 ……ライナーも他のがあればやってみたいといつか言ってましたし、いいですよね。 さて、何個か目ぼしいものを挙げてみますが、ライナーはどんなものが好きなんでしょうか。 とりあえず、次の機会に訊いておきましょう。 back|index|next |