ネコ:「みんな、集まったみたいだね。じゃあ、主役を連れてくるよ。」
カラス:「俺、ここに集まれって言われただけで目的を聞いてないんだが。何をするんだ?」
サル:「う〜ん、僕も聞いてないんだけど。とりあえずいろんな種類の生き物達が集められてるみたいだねぇ。」
ワニ:「・・・早くしてくれ。」
ヒト:「ちょ、ちょっと!いきなりこんな所に連れてきて・・・何だっていうんだ!
俺これから大学のレポート書かなきゃいけないんだから、離せって。明日教授に提出しないと、単位もらえないんだよ。
君たちには関係ないことかもしれないけど、俺にとっては一生を左右するんだからさー。」
ネコ:「そうはいかない。君がいなきゃ今日の集まりは意味をなさないからね。
まあ、座って座って。」
ネコ:「さて、今日皆に集まってもらったのは、他でもない、僕たちのことについて。
みんなは、今の世界に満足できてる?」
カラス:「さて、どうかなぁ。急に言われても」
イルカ:「私は、割と楽しいかな。今でも自由に海を泳げるし。まあ人間と暮らしてる仲間もいるみたいだけど。
それも好きでやってるみたいだしね」
フラミンゴ:「僕は、今の地球はダメだと思うよ。僕たちが住む環境ではなくなってきているような気がする。
先日だって、僕の仲間が日本で絶滅したばっかりだしね。ほんと、びっくりしたよ。」
サル:「まあ確かに。最近そういう類の話は良く聞くよね。」
ネコ:「そうなんだ。どんどん環境が悪くなっている。それも急激にね。
このままの状態で突き進んでいってしまえば、きっと取り返しがつかなくなる。そうなってからではもう遅いよ。」
コガネムシ:「でも、どうしたらよいのかしら?別段悪いことをやってるって感じはしないんだけど」
ネコ:「まあそうだよね。でもさ、もっと自覚していかなきゃダメだと思うんだよ。特にヒト君、君にはね。」
ヒト:「お、俺かよ!」
ネコ:「もちろん、君個人を指していってるんじゃない。人類全てに対してだよ。
戦争だの、利権だの、出世だの。中にはやるべきことだってあるのかもしれない。僕たちにだってなわばりをかけての争いはあるし、
優劣を競うことだってある。でも、他の動物たちに迷惑はなるべくかけていないつもりだよ。」
ワニ:「・・・俺たちの仲間、人間に飼われる。結構人気。でも、すぐ捨てられる。
何故?悪いことはしてない。野生のワニが噛んだりするのは本能。そんなに近づいてきた人間のほうにも非がある。
でも、ペットとしてのワニはそれほどでもない。ただ飽きられる。」
ヒト:「それは・・・飼い主のほうにも事情があってさ・・・」
カラス:「それって言い訳じゃねえ?自分がいらなくなったら捨てんのかよ。自分勝手にもほどがあるぜ。
俺達は人間の廃棄物を食って生きてるやつが多い。それでいっつも問題になってやがる。
でもよ、それって人間が俺たちの居場所を奪ってきたこととも関係あるんじゃねぇか?」
ヒト:「う・・・うん。」
イルカ:「待って待って。確かにヒト君達は他の動物に危害を加えてきたかもしれない。
けど、私たちを一生懸命守ろうとしてる人たちもいるのよ。」
フラミンゴ:「うん。いろんな条約で守ったりとか、国そのものが保護してる場合もあるよね。」
ネコ:「一口に悪いとも言えないよね。ただ、人類にはもう少し考えてもらいたいんだ。
さっき君は言ったよね。レポートを出すことが一生を左右するって。でも、
僕たちは比喩的な意味ではなくて本当に一生がかかってるんだよ。
決しておおげさに言ってるんじゃない。実際に絶滅してる動物たちは数え切れないほどいる。
だから、ちょっとでもいい。危機を感じて、行動してほしいんだ。」
「君達がやったことを全て否定はしない。生物は繁栄していくものだからね。
でも、やってきたことには責任を持ってほしい。ヒトがやった間違いは、ヒトにしか直せないよ。」
ヒト:「でも、何でそれを俺に?もっと政府の高官にいえばいいじゃん。俺はただの大学生、何にもできないよ。」
カラス:「わかってねぇなぁ。お前だってヒトだろ?できることはあんじゃねぇの。何か。
そりゃ特別なことはやってもらったほうがいい。でもよ、お前みたいな普通のやつがやってくんねぇと、
いつまでたったってよくなんねぇよ。お前らがなんかやったときに、またそのコウカンとやらを呼ぶさ。」
ヒト:「そっか・・・言われてみりゃそうだよね・・・自分に何ができるのか、考えたほうがいいみたいだ・・・。」
コガネムシ:「それがいいわ。何かあるはずよ、きっと。」
ヒト:「そうする。完全にこの環境を回復させるとかいう大それたことは今はまだできないけど、
探してみるよ、その[何か]を。」
ネコ:「さて、今日の話し合いはこれで終わり。またいつかやると思うから、その時はまた、よろしくね。
じゃあ、とりあえず乾杯しよう。これからの僕たちの繁栄を祈って。・・・・・・乾杯!」
さて、何なんでしょうかこれは(ぉ
まったりとは程遠くてこれダメじゃないかなあと書いてから思いました。
でも、これを見てちょっとでも何か感じてくれたらこれ以上の喜びはございません。
掲載にあたり神海さんには心よりお礼を申し上げます。
なんともびっくり、アルハンブラさんから頂きましたー。
ヒトの在り方、他の生物の在り方。
今までたくさんの動物を絶滅させたりそれに準ずる状況に追い込んだりしているわけです。
自分本位な考えしかしなかったヒト種は、現在になってようやく己の所業を振り返っています。
過去に犯した行為。私達が例え実際にしていないことであるとしても、それは清算すべきなのだと思うのですよ。
うーん、なかなかに深いお話でした。ありがとうございましたー。