「えー、テステス。ちゃんと音声入ってるかな?」
「それは後で確認すればいいと思うけど……『二十分でできる在宅ワーク』って」
「何か面白そうな内容だったから」
「面白いを通り越して不審だよこれ。申し込んだ直後に宅急便が来たし」
「世の中そういうこともあるんだね」
「……とりあえず進めよっか。えっと、進行役のミヤネです」
「同じくスゥです。本名じゃないけど、本名は決められてないのでその辺察してほしいかな」
「(今すごいぶっちゃけた……)」



「で、手元に参考資料があるんだけど」
「私達の前にやった人が喋った内容みたいだね。こういう風にしていけばいいってことなのかも」
「じゃあこれに倣っていこう。さて、最初は去年の話だね」
「ん、こほん。八周年を迎えた日から更新履歴を見てみると、追加されたのは十五行しかありません」
「おおよそ一ヶ月に一度以上のペースだけど、半分以上は『ミュールIFルート』になってる」
「一昨年に引き続いての更新で、今年、2011年の頭に、ようやく完結することができました」
「あとがきにも書いてある通り、三年半越しに終わりを迎えられたわけだ」
「ちょっと前におはなしを読んだけど、ミュールさんは素直じゃなくて可愛いよね」
「現実にいたら付き合う相手は物凄く大変だと思うけどね。ライナーくんもなかなか難儀な性格のようだし」
「だからこそ釣り合いが取れてるのかもしれないよ?」
「まあ、いいコンビであることは確かかな」
「それから、完結後に少しだけ『ひとかけらのぬくもり』も進めてるみたい」
「リメイクを始めたのは、もう四年も前のことだけど……いつ終わるんだろうね?」
「なるべく早く片付けたい、とは思ってるんだって」
「そういうことほど後回し後回しにしちゃうものだよ」
「……あはは、結構思い当たるところあるかも」
「他には『ROOM NO.1304』も同時進行中のようだね」
「こっちは『ひとかけら』と違ってまだ着地点が全然見えないんだとか」
「今のペースだと、それこそいつ終わるんだか、という話になるんじゃないかな」
「頑張って書いてほしいよね……。あとは何かある?」
「化物語の掌編をひとつ書いてるみたいだ。『しのぶシャワー』って、また安易というか」
「習作ってことは、練習で作った話なのかな」
「普通表に出さないものを出す場合、周りの反応を見る意味合いが強いからね。たぶんこの話も同じだと思う」
「なるほど、そう言われてみると……わかる気がするかなあ」
「オンライン関係はこれくらいになる、と思うんだけど」
「あ、スゥ、私達の話があるよ。自分で自分のことを話すのは、うん、ちょっと恥ずかしいけど……」
「『スゥとミヤネ』……僕達の日常を切り取った、という形式の短編集だね。一個一個はすごく短い」
「気軽に更新できるようにってことで始めたらしいね」
「何だかんだで月に一度くらいは増やしてるんだから、案外僕達は気に入られてるのかもね」
「だといいなあ。……えっと、あとはオフラインの話?」
「うん。どっちも同人誌のことで、ひとつは去年の夏に出たリトバス合同本『リトル!リトル!リトル!』」
「よく知ってる人達で集まって、かなりの規模になった本、らしいんだけど」
「無事イベントに出せたのは奇跡みたいなものだそうだよ」
「色々あったんだよ、って、ここだけ物凄く力の入った手書き……」
「もうひとつは、冬に『かぎかっこ、まる。』さんの新刊にゲスト参加した『明日の風の見える丘』」
「『るいは智を呼ぶ』の二次創作で、冬篠宮和さんの話みたいだね」
「なかなか彼女も一筋縄じゃいかないというか、面白い人だと思うよ」
「不思議な感じだよね……。強引だったり奥ゆかしかったり、掴みどころがなくって」
「と、一年間の活動を振り返るのはこのくらいでいいかな」
「もう訊かれても何も出てこないよ……」



「残りは来年、これからの話になるけど」
「とりあえず、私達の話はまだ続く予定があるんだって」
「二つの連載についても、手が空き次第再開はするとか」
「ただ、九周年当日現在、化物語短編集『着物語』を同人誌で出すために、書き下ろしを作ってるらしくて」
「それが片付くまでは他に何もできないだろうね」
「上手く行けば冬のイベントに合わせられるから、時期が来たらお知らせできるはずだよ」
「次は十周年だから、また記念の合作もやるようだし。半分は水面下で動くことになるんじゃないかな」
「作業遅いのはおおらかに見てあげてください。……はぁ。スゥ、これでいいの?」
「上出来上出来。一発撮りだけど、撮り直す必要もないと思うよ」
「じゃあ私、夕ご飯の準備始めるね」
「お願い。僕はこれを指定の宛先に送ってくるから」





 ついに来年で十周年ですよ。よくここまで来たなあ、としみじみ。



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