「来ヶ谷唯湖だ」
「いきなりですね……。しかし、確かに仔細な自己紹介は必要ないかと。西園美魚です」
「七年目の配役は私達に回ってきたらしいな」
「他にもっと適した人がいるのでは、と思うのですが、何故この組み合わせなのか理解に苦しみます」
「美魚君、それは遠回しに私が嫌だと言っていないか?」
「いえ、そんなことは。ただ、直枝さんと棗さんとか、直枝さんと宮沢さんとか、その方がどう考えても良いでしょう」
「むさ苦しいだけだろう……。キミが期待するような雰囲気にはまずならないぞ」
「だとしても、夢を見るくらいは自由です。願えば現実になるかもしれないのですから」
「ならば私はこう、美魚君以外にもクドリャフカ君や小毬君などを加えて来ヶ谷ハーレムの結成を、」
「ところで来ヶ谷さん」
「……キミは何気に人の話を聞かないな」
「元々この場は楽屋裏のようなものなのでメタな話にもなりますが、最初は化物語から二人が選ばれる予定でした」
「うむ。阿良々木暦氏と八九寺真宵女史だったな。真宵君は実に弄り甲斐のある容姿だ。部屋に一体欲しい」
「警察のお世話にならないよう気を付けてください。ですが、二人の会話を再現するのは大変だということでお流れになりまして」
「次の候補が、境界線上のホライゾンより、葵・トーリ氏とホライゾン・アリアダスト女史の二名になる」
「まあ、結果的にそちらも頓挫したわけですが。やはり再現が難しいだろうという理由で」
「片や不可能男インポッシブルならぬ全裸男フリーマン、片や急所殺しの半天然自動人形……色々と無茶だな」
「原作を知らない人には、いったい私達は何を言ってるんだ、という感じなのでしょうね」
「だがそれはどんなものでも同じだろう。興味のある者が興味を持てる物に対してのみ騒げばいい」
「二次創作と呼ばれるものは、言うなればほとんどが自己満足ですから」
「む、だいぶ話が逸れてしまったな」
「そろそろ本題に入りましょうか」

「更新履歴を見てもらえばわかると思うが、去年から今年に掛けての、表立っての更新は非常に少ない」
「実際はお祭りへの寄稿などもいくつかありますね。その中でもメインは、Rodmateさん開催のふぇすたでしょうか」
「作者にとってはかなり前から付き合いのある相手だからな。オンオフ問わず何かと世話になっているらしいし」
「かなり早い段階で一本、開催直前にもう一本の計二本を送り、盛り上げの一助にはなったようです」
「その二つを見比べると、本当に同一人物が書いたのか疑わしい内容の差があるぞ」
「……能美さんが、少々不憫になってきます」
「ああいうクドリャフカ君も可愛いから私は嬉しいが」
「続けます。さらに、幹事男さん開催のくどふぇす2にも二本投稿しました」
「こちらも一本目と二本目に酷いギャップがあるな。というか間に何があったのか、事件性を疑うレベルだぞこれは」
「周波数の高い電波を受信してしまったのでしょうね。儘あることですが」
「またクドリャフカ君な辺り、歪んだ愛の発露と見るべきかもしれないな」
「一応、つい先日開催された、しまさん主催のたみフルにも一本投稿しています」
「鈴君は実にエロい。そしておねーさんもあんな風に少年の全身をぺろぺろしてみたいぞ」
「ふぇすた関連以外にも、草SSに六回ほど出していますね。結局MVPは取れず仕舞いです」
「運がないと言うべきか、素直に実力が足りないと言うべきか……。まあ後者だろう」
「リトバスのジャンルを除くと、いくつかマイナージャンルのSSがあります」
「一つは前述の化物語から、妹の同級生こと千石撫子女史をメインに据えた『なでこソックス』だ」
「こちらの発表時点で、一連の短編集を『着物語』と命名しています。悪くはないですが、安直ですね」
「もう一つは『るいは智を呼ぶ』。理樹君と同じ、女装少年を主人公にした作品だな」
「その紹介は微妙に語弊がありますが……今となっても、この作品の二次創作は希少かと」
「それだけで売ってる、とも言えるがね。――しかし、今年度で最も大きなイベントは、あれだろう」
「はい。元テンチョーさんと組み、ある意味での主犯、アリさんに表紙絵を頼んで、人生初の同人誌を作りました」
「ここで私と西園女史が選ばれたのも、あちらでのコンビが扱いやすかったから、という理由があるようだ」
「六月二十二日時点で元テンチョーさんが個人通販を行っていますので、気になる方は是非どうぞ」
「メインは私達ではなく、佳奈多君と葉留佳君だがな」
「それと、おまけ程度ですが、現在進行形で一つ企画が進行中ですね」
「NSKだったか。作者はかなりの引きこもりだから、遠慮なく感想要員として使えばいい」
「感想を書くことが経験になるのも確かですから」

「さて、八年目以降の話だが」
「確実に書く予定のものは、まず現在放置中の連載物。アルトネリコとROOM NO.1301です」
「両方とも時間は掛かるだろう。それに合わせ、一次創作も極力進めるつもりらしいな」
「短編なら、化物語であと一本、羽川翼さんメインの『つばさブラジャー』が候補に挙がってますね」
「個人誌でまとめたい、と作者は考えている。が、どうやって絵師を探すのかはさっぱりな辺り怪しいものだよ」
「他にも構想段階で止まっているものがあるみたいです。ただ、全ては連載が片付いてからになるでしょう」
「社会人になって、極端に筆の進みが遅くなったのは痛いな。仕方ないこととはいえ」
「それでも、読み手が一人でもいれば頑張り続けられるのが書き手です。最早性と呼ぶべき意識ですが」
「私達の物語も、飽きずに描き続けてくれればいいのだがな」
「ええ。期待せずに待つとしましょう」
「では、これにて終了だ。長らくの付き合い、感謝しよう。キミ達が良き時間を過ごせるよう祈っている」
「ありがとうございました。……またお会いできるといいですね」





楽しいことも、苦しいことも山積みの一年間でした。もっと頑張ろう。



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