こんこん。 「…………失礼します」 部屋の中には小さなテーブル、その上にはマイクと録音用のテープがひとつ。 「お邪魔しまーす……ひなたちゃん一人?」 「はい、まだ皆さんは来ていないみたいです」 しばし無言。 少しして、ドアが開く。 「失礼します…………あれ、遠野くんは?」 「いらっしゃいませ。……その様子だと、知らされてないようですね」 「弓塚さんで三人目だよー」 「え? えぇっ?」 状況を説明し、弓塚さつきを含めた三人で残りを待つ。 数分後。 「お邪魔します。……往人さん?」 「…………祐一は」 同様の手口で二名追加。 さらに数分後。 「たこ焼き、たこ焼きはっ!?」 餌でつられたらしい。 とりあえず反省会。 陽向「皆さん、今日は集まっていただいてありがとうございます」 みゆき「詳しいことはこの指令所に書いてあるんだけど……此処にいるみんなで反省会をしてほしいと管理人が」 さつき「あ、そういえば、志貴くんが待ってるって言ってたのは管理人さんだったね」 観鈴「わたしもそうだったよ」 舞「…………私も」 みなも「うぅ、たこ焼き一個もないよ…………」 みゆき「言い忘れてたけど、しっかりやれば今度管理人が何か書いてくれるって」 陽向「内容はみんなに任せる、とも言ってました」 一同「…………………………(想像、後に悶え)」 陽向「メンバーの紹介を。まずは私、一次創作『ひとかけらのぬくもり』より星宮陽向です(ぺこり)」 みゆき「封印候補のひとつにもなっている一次創作『幻想鏡夜』より夢崎みゆきです」 さつき「有名同人ゲーム、『TYPE-MOON』の"月姫"より弓塚さつきです。薄幸だなんて言わせないよっ!」 観鈴「珠玉の作品、『Key』の"AIR"より神尾観鈴です」 舞「…………『Key』、"Kanon"より川澄舞」 みなも「『minori』の"Wind -a breath of heart-"より鳴風みなもです」 陽向「この六人でお送りします。主に、私とみゆきさんの二人で喋りますので」 みゆき「飽きずに最後まで見てくださいねー」 陽向「まず、一周年ということで過去を振り返ってみましょう」 みゆき「呆れるくらい色々やったんだよね」 陽向「はい。2002年6月22日、このページ『Eternal Mist』が開設しました」 みゆき「当時の作品は、今になって見ると紙なら破り捨てたくなるような出来なんだって」 陽向「書いては封印、書いては封印と一向に学習してませんでしたね」 みゆき「読み手さんに迷惑この上ない行動でした。ごめんなさい、皆さん」 陽向「そんな自分に喝を入れようと、本腰入れて始めたのが、このページの名前でもある『Eternal Mist』」 みゆき「"カミサマ"と"自分"というふたつの大きなテーマに挑戦したんだよ」 陽向「調子に乗った管理人は、次にシスプリで長編『Last promise』を書きました」 みゆき「テーマは"絆"。まあよく書けてはいるみたいだけど、やっぱり今見ると納得いかないみたい」 陽向「でも管理人はとんでもなく面倒臭がり屋なので、書き直ししないんです」 みゆき「困った奴だよねー」 陽向「それから次に書き始めたのが『sky color』です」 みゆき「氷上刹那さんに褒めてもらったんだよ。作者曰く、今までの作品の中でも少し毛色が違うんだって」 陽向「確か"AIR"をやったのもこの頃でしたね」 みゆき「ラストシーンでも泣けなかったことを悔やんでたよね」 陽向「ちまちまと色々書いて、『隣ユー』を書いてはみたんですがあまりの駄作ぶりに封印」 みゆき「わたしの出展はコレなんだけど、酷いよねー」 陽向「同時進行で『猫と俺。』も書いてました」 みゆき「ちょっと新しい雰囲気に挑戦したとか」 陽向「さりげなく『ひとかけらのぬくもり』とも繋がっていたりするんですが……」 みゆき「ツキくんはあとの方にならないと出てこないんだよね。むしろこっちの方が繋がり深いか」 陽向「みゆきさんの出ている『幻想鏡夜』ですが、前作に引き続きまたうまく書けなかったようです」 みゆき「ダメな部分も同じにしなくたっていいのにー」 陽向「そうですよね。その辺が管理人の進歩のなさとも言えます」 みゆき「この頃からプロットを書き始めたんだよ。遅すぎるって絶対」 陽向「で、現在連載中の『ひとかけらのぬくもり』。私も出ているんですが、どうやら今までで一番長く書くそうです」 みゆき「確か三年間あるんだったっけ。今一年目の夏で、終わりが三年目の秋だから……遠いね」 陽向「秋には終わらせてみせるって言ってましたが、ちょっと無茶だと思います」 みゆき「せいぜい今年中だよねぇ……」 陽向「最近になって"AIR"、"Kanon"、"月姫"もちょこちょこ書いていると」 みゆき「"Kanon"は間違いなくcamelさんの影響だね」 陽向「…………と、こんな感じで一周年やってきたわけです」 みゆき「今になっても、文章構成力のなさが窺えるから困りものだよ」 陽向「では、作品別に話を訊きましょう。私が弓塚さんと鳴風さんを担当します」 みゆき「わたしは観鈴さんと舞さんだねー」 陽向「まず弓塚さん。"月姫"に関して、管理人の見解は?」 さつき「とにかく凄いって。短い期間に、あれだけのモノを作れることが」 陽向「インストールしてから、三日三晩深夜までやってましたね」 さつき「うんうん。「弓塚さん浮かばれないなぁ……」って呟いてたよ」 陽向「書庫に今置いてあるのはひとつだけですが、アレはどうです?」 さつき「管理人さんは、公開されてないにしろ原作がある以上は安易に終わりは変えられないって」 陽向「よくて夢オチだ、とも言ってましたね」 さつき「でも、細かくそこまでリクエストされたら書くんだろうねぇ……」 陽向「これからはどう書いていく、とか言ってませんでした?」 さつき「んっと……そうそう、一度連載モノは書いてみたいって。大まかな話の流れも考えてないらしいけど」 陽向「ありがとうございました。では、最後に何かひとことどうぞ」 さつき「……わたし、負けないからねっ!」 みゆき「次は観鈴さん。"AIR"、管理人はなんて言ってた?」 観鈴「えっと…………絶句してました。言うことないって言ってたんですけど……それ、変ですよね」 みゆき「もともと変なんだから気にしない。で、管理人が書いたのってどんな感じ?」 観鈴「抽象的な表現が多いですよね。雰囲気は本人も巧く作れたって」 みゆき「あそこまでよく書けたのもそうそうないってひとりごちてたね、そういえば」 観鈴「原作の世界観が世界観だから、無理ないとも思うんだけど……」 みゆき「確か、この先書くのはほとんど贈り物だって言い切ってたね」 観鈴「ホント、面倒なこと嫌いな人ですよね」 みゆき「あはは、性分だって言って譲らないもんね。うん、ありがと。何かある?」 観鈴「特にないですよ。あ、でも、これからもちょくちょく書くって言ってましたから、みなさんよろしくお願いします」 みゆき「舞さん、"Kanon"はどうだって?」 舞「…………私のシナリオが一番好きだって言ってた。でも、ほとんどみんな平行線だって」 みゆき「芯のある強さと、同じくらいの弱さを併せ持つ舞さんが好きなんだって」 舞「…………よく言う」 みゆき「本当だよねー。それで、今まで書いたの……『don't cry,never cry』はどうでした?」 舞「……私達が、泣くか泣かないか。そんなことをテーマにしたって」 みゆき「きっかけは秋子さんだってところが管理人らしいよね」 舞「……………………」 みゆき「だー、刀構えちゃダメ。あ、最後に何かひとことある?」 舞「……………………………………もうちょっと真面目に書いて」 陽向「最後にみなもさん。管理人は、原作について何て言ってました?」 みなも「"想い"っていうテーマが気に入ったらしいです。秋弍さんに感謝ですね」 陽向「そうですね。秋弍さん、ありがとうございます」 みなも「同じく、ありがとうございます」 陽向「……"想い"。管理人はその言葉が好きみたいですよね。まだみなもさん達のお話は書いてないんですが……どんな内容ですか?」 みなも「彩ちゃんエンド後のお話で、色々あるみたいです。主にわたしと彩ちゃんと、まこちゃんの三人で」 陽向「では、最後に何かありますか?」 みなも「まだ皆さんに顔を見せてませんが……どうかこれからも、よろしくお願いします」 陽向「これ以上やるとテープが持たないみたいなので、最後に近況を」 みゆき「『ひとかけらのぬくもり』はまだまだ先に言った通り続くらしいよ。短編もちょこちょこ書いてくとか」 陽向「短編の九割は秋弍さんへの贈り物になると思います」 みゆき「"AIR"と"Kanon"、"月姫"はこれからも少しずつ書いていくつもりだって」 陽向「それと、現在序章だけある『とどかない、きみ。』は『ひとかけらのぬくもり』の進行次第で書いていくらしいです」 みゆき「"まったり同盟"には短編をちまちま載せていくつもりとか」 陽向「ではでは、この辺で終わりにしますね」 みゆき「本当に最後に、管理人から。これからも『Eternal Mist』をよろしくお願いします、だって」 陽向「ありきたりな言葉ですね。……まぁ、いいです。それではまたお会いしましょう」 みゆき「じゃあねー」 陽向「…………頑張ってくださいね」 テープ終了。 ………………はぁ、これから大変だなぁ……(本音 index |