§


    † 条件分岐1 †
     :クドの相部屋が葉留佳である


   §


クド
「では、直枝さん。誰に最初に声をかけたらいいと思いますか?」


 ( 鈴      )      ( 僕      )
  ( 小毬さん   )
  ( 来ヶ谷さん  )
  →( 三枝さん   )
   ( 西園さん   )



   §


    † 条件分岐2 †
     :テスト勉強の助っ人に『僕と真人を』選んでいる
 

   §


理樹
「さて、一週間後がテストなわけだけど」
「はじめようか、クド」
クド
「はい、宜しくお願いしま…いえす、まい・べすと・りがーず」
理樹
「おーけー、おーけー」
「じゃ、頼む相手を決めようか」
クド
「はいです」
理樹
「誰にしようかな…」


 ( 来ヶ谷さんと小毬さん  )
  ( 葉留佳さんと西園さん  )
 →( 僕と真人        )



   §


  † 条件付き強制イベント †
   :クドの相部屋が葉留佳である
   :葉留佳が虚構世界に健在している


   §


葉留佳
「クド公、メープルシロップ取って」

 ………
 ……
 …

クド
「あ、本がありますね…。参考書とか持ってきてくれたのかもしれません」
理樹
「え、ほんとに?」
 葉留佳さんが座っていたクッションの横に本が数冊あった。
理樹
「…えーっと『初心者が一から学べるシフォンケーキの作り方』?」
クド
「こっちは『実録! 奥深いスコーンの世界』ですね…」
「はっ! わかりました」
「これはこういうものを作って外国っぽくしろという教示でしょうか…」


   §


    † クドルート.BADENDフラグ処理 †
       条件分岐1:クドの相部屋が葉留佳である
       条件分岐2:テスト勉強の助っ人に『僕と真人』を選んでいる
       条件分岐3:葉留佳が虚構世界に健在している



     クドリャフカ BADEND-2 「テスト失敗」






   §






class Scene_Title


オブジェクトの初期化

―――error―――
不正なプログラムが起動しています
タイトル画面の呼び出しに失敗しました


フラグの初期化

―――error―――
予期せぬエラーが発生しました。フラグの初期化ができません


Mapの初期化

―――error―――
虚構世界からの応答がありません


ステータスの初期化

―――error―――
Actor:直枝理樹 に致命的なバグが見つかりました


―――error―――
program:クドリャフカBADEND‐2を強制終了できません


―――error―――
program:5/13を実行できません



不明のプログラムを実行します
発行元を確認できませんでした。このプログラムを実行しますか?



 →( Yes   )
   ( Yes   )
    ( Yes   )






ある週末の物語







「……」
 クドは顔をトマトのように赤く染めながら、それでも『それ』を食い入るように覗き込んだ。
「いやぁ、私もこれにはびっくりですヨ。まさか、あの理樹くんがカワイイ顔して……」
 後ろで手を組みながら、努めて平然を装うとしているのは葉留佳だ。
 普段大騒動の中心にいながらも、実は『その手』の話にはめっぽう初心な彼女は、クドとは対照的に目線をせわしなく動かしながら『それ』を直視しようとしていない。時折困ったように「やはは」と乾いた笑みを溢す。
「そうですか? 年頃の男性なら、ごくごく普通のことです」
 一人冷静に告げながら、ゆっくりとその雑誌のページを捲る美魚。
 特別慌てた様子も、焦る様子もなく、淡々とページを捲っていく。
 ただその瞳だけは、見据えられただけで心臓の辺りから「ぐさっ」という擬音が聞こえてきそうなほど冷たい。氷のようだ。ぐさっ!

 男子寮、直枝理樹の部屋。
 相部屋の井ノ原真人共々、主のいないその部屋に集った三人の女生徒達。三者三様の反応を見せながら、何に興じているかというと。
「グラビアアイドルの写真集なんて、可愛いものです」
 理樹の机の引き出し奥底から、葉留佳の手によって偶然―――本人は偶然のアクシデントと言い張っているが詳細は定かではない―――発掘された雑誌の鑑賞会である。 「やー、まあそれもそうだけどさぁ」
 頬をぽりぽりと掻きながら、葉留佳。
 そして、クドは、
「ん、クド公どしたの?」
 目を丸くさせながら、肩をぷるぷると震わせて、
「お手洗いなら、すぐそこですよ?」
 美魚の会心の天然ボケすらもスルーして、

「ぼっきゅっばーんっ! なのですっ!!」

 力の限り、叫んだのだった。


   §


 能美クドリャフカことクドを一言で言い表すとするのなら「ちみっこい」。も一つ付け加えるなら「ひんぬー」である。
 背の低さと合わせて本人自覚しているコンプレックスであり、背を伸ばし、胸を大きくするために牛乳を飲み、ストレルカ達とのフリスビーという運動を重ね、スタイル抜群代表・来ヶ谷唯湖にアドバイスをもらおうと彼女の部屋を訪れたはいいが僅か一分で脱出するなどの惜しまぬ努力を積み重ねてきた。が、一向に効果の兆しを見せる様子はなかったのはここだけの話だ。
 理樹の部屋にて発見された、理樹君秘蔵のグラビアアイドル写真集。
 直枝理樹本人が購入したものか、はたまた兄貴分である棗恭介が「ラブコメするからには少しくらいは免疫付けとけな」と勝手に手渡していったものかは定かではない。
 しかし、後者はありえないとクドはなんとなく思った。
 何故なら、その雑誌の主役を務めるグラビア女優は爆裂的巨乳であったからだ。
 ―――そこに深い意味はない。
 別に恭介がロ○コンだとか、そういう話ではない。断じて。
 ちなみに、カーペットの下に隠されていたという真人の秘蔵書「メイドさん天国〜ご主人様に尽くしちゃう(はーと)〜」は見なかったことにした。来週になれば思い出すこともないだろう。
 Gカップ。ぶっちゃけありえない。
 乳はデカければいいものではないと少女三人は心の底で呪詛を吐く。
 なんなんだ、一体。何を食べればこんな牛みたくデカい乳になるのだ。
 しかしそこはグラビアアイドルに抜擢されるほどの乳である。その巨大さにもかかわらず形も崩れずにその弾力のよさそうな瑞々しい張りを二次元の紙面から強調させている。
 嗚呼、神のもと人は平等ではなかったのですか!
 たゆんたゆんと揺れる乳に胸を躍らせるのは男の役目だが、たまには自分も、ほんの少しでもいいから胸を躍らせてみたい―――などと考えながら、クドは自分の胸を見下ろして、「すとーん」と響く効果音を確かに耳にした。
 ……肩の落ちる音だと思いたい。
「こーゆーのが、リキの好みなんでしょーか……?」
 眉を八の字に曲げて、クド。自分に無いものを突きつけられ、その勝ち目の無さを実感したクドは既に涙目だった。
 意外や意外だった理樹の嗜好。
 そうですか、リキは巨乳好きだったんですねー……と、簡単に納得できるはずもなく。しかし、目の前の白ビキニの悪魔に対抗する術があるわけでもなく。
 ついでに、「これは本当にリキの趣味なのでしょーか?」と疑問に思った瞬間脳裏を過ぎった、「ふはははは」と高笑いを上げるリトバスメンバー内屈指の「ぼっきゅっばーん」な少女のことは考えないことにした。
 彼女の気まぐれにせよ、この雑誌を使って理樹の好みを巨乳好きにしようという策略にせよ、どちらの可能性もありすぎるから困る。しかもその場合、勝ち目がなさすぎるのが一番困る。
「ううう〜。おおきいなんて……。おおきいおっぱいなんて、嫌いなのです……。リキのばか、ばかぁ〜。ちっちゃくったって、ちっちゃくったっていいこと、たくさんあるんですよ……。その、たぶんですけど……」
「能美さん」
 重苦しいうえに気まずい空気の中、美魚がクドの小さな肩にぽんと手を置く。
「わたしも、能美さんの気持ちはわからなくもありません」
「西園さん……。ありがとうございます……」
「ま、みおちんもちっこいからねー」
 この瞬間、クドと美魚との間に深い共感と絆が生まれ、同時に二人と葉留佳との間に深い溝が出来た!
「―――ちっちゃくって」
「悪かったですね―――」
 二つの鋭い視線が葉留佳に突き刺ささる!
「ゴメンゴメンって。いやぁ、私は一応オッパイ普通にあるし、そこまで悩んだことないけど、やっぱ姉御と比べると迫力が違うと言いますか、そうつまり『こいつぁ勝てねぇ〜』と思うわけですヨ。つまり私はみおちん&わんこ側の人間ってコトで〜」
「却下です」
「Bカップになってでなおしてきやがれ、ですっ」
「わわっ、クド公の口がすっごく穢くなってますヨ??」
「そこでです、同志、能美さん」
「なんでしょう、どーし、西園さんっ」
「わたしはここに、大きなプランを提案しようと思います」
「大きなプランですか。なんでしょう?」
「―――能美さん。わたしとともに、怨敵・巨乳帝国を打ち滅ぼしてみませんか?」
「って、みおちん??」
 美魚の不穏当な発言と、巨乳帝国なんていう人前で話せないようなお馬鹿極まりないネーミングセンスに葉留佳は半歩後退る。
「わ、わふー……。とても魅力的な提案ですが、喧嘩はよくないですっ」
 何事も平和的にが信条の彼女は「らぶあんどぴーすです!」と反戦プラカードを掲げてみせる。綴りが平和ではなく小片なのはご愛嬌だ。
「何も、喧嘩をするわけではないですよ?」
 そんな言葉にほっと息を吐く。
「巨乳を撲滅するだけです」
「撲滅ですかっ」
 はたして打ち滅ぼすと撲滅するとの間にどれほどの差異があるのか……と考えてみても仕方がない。
「あわわわ……、なにやら怪しげな密談が……っ! はるちんはこの巨大な陰謀に立ち向かうことが出来るのか!? って、巨大な陰謀? どっちかって言うとちみっこい陰謀な気がしますネ」
「―――さっそく、そこで騒いでいる巨乳帝国の回し者を撲滅してみましょうか。……ふふっ」
「ひゃあぁぁ〜っ!? みおちん、その笑顔洒落になってないからっ、まじビビるってっ!」
「冗談です」
 冗談に聞こえない。葉留佳はへなへなと腰が砕けたようにその場に座り込むと、「じょ、ジョーダンかぁー。美魚ちゃんも人が悪いなぁー。あは、あはははは〜」と、引きつった笑みを浮かべた。
「さて。巨乳を撲滅する、というのも、甘味な響きのある素晴らしい案ですが、能美さんの気が乗らないようなので止めておきましょう。そこで、もう一つのプランです」
「も、もう一つのぷらんって、なんなんですか?」
 クドは平和的な解決という選択肢が残されていることを信じつつおずおずと尋ねた。美魚は静かに雑誌を閉じると、キッ! と、真剣な目つきになって答えた。
「―――わたし達自らが、巨乳となる道です」
「巨乳になるんですかっ!?」
 そのトンデモ提案にクドは目を丸くした。
 これまで散々努力を重ねてきたにもかかわらず変化のない胸に諦めを抱きかけていたのはつい先日のことだ。
「巨乳になろう!」「よしなろう!」で簡単に巨乳になれるのであれば苦労はしない。
「あのー。そろそろ私帰っていいデスカ? なんか私のトコだけ空気が違うというか、ひょっとしてハブられてる??」
「さて、その具体的な方法ですが」
「みおちん鬼ひどっ! いくら私が人並みにオッパイあるからってスルーはヒドイですヨ!?」
 華麗にスルーされ続ける葉留佳を他所に、美魚はクドに向かって厳かに告げた。
「能美さんは、NYPというものをご存知ですか?」
 ―――と。

 NYP。
 何だかよくわからないパワーのことだ。
 科学部のマッド鈴木によって発見されたこの未知のエネルギーは、人間の隠されたエネルギーだと言われている。そして最も高いNYP値を持つ人物こそ、リトルバスターズのマネージャー、西園美魚その人である。
「つまり、その、えぬわいぴーを使えば、私の背も胸もおっきくなるんですか」
「おそらく、可能でしょう。逆に、世界中の巨乳を貧乳にすることも可能だと思います」
「わ、わふー……。それはあんまりにも皆さんに申し訳ないです……」
 世界中の巨乳を貧乳にして巨乳を撲滅するか、それとも自ら巨乳となるか。
 どちらにしろ、選択権はクドの手にある。
 クドは美魚の表情をおずおずと窺ったり、部屋の隅でのの字を書き始めた葉留佳を心配したりと逡巡を繰り返し、わふーと小さく呟いた。
 脳裏に浮かぶは理樹の顔。
「リキが、きょぬー好きというのでしたら……っ」
 ぐっと拳を握り締め、クドは瞳に炎を宿す。
「なってみせますっ、ぼっきゅっばーんにっ!」
 美魚は、小さく。誰も気付かないくらいに小さく笑みを浮かべると、そっとクドに向けて手を伸ばした。
「ともに、巨乳を目指しましょう」
「はいなのですっ!」
 熱く、固く握手を交わす二人の少女。
 すべては、貧乳というコンプレックスから脱却するために!
 ……美魚に乗せられているだけのような気もするが、気にしてはいけない。


   §


「西園さんっ、科学部の部室はどこにあるんでしょうかっ」
「特別教室棟の一階だそうです。理科室の旧準備室をそのまま部室として活用しているそうで、日々バイオクッキーやサイバーウェポンなど、怪しいものを開発しているとか」
「わふーっ! 怪しさ、えくすぷろもーしょんですーっ」
 怪しさ爆発と言いたかったらしい。
 日本にある、ごく普通の進学校の校舎でそんな物騒なものが日夜開発されているなんて冗談にしか聞こえない。クドも最初は半信半疑だったが、美魚が試作型メガバズーカランチャーβを寮の裏庭で試射したところ、信じざるを得なかったわけであり。
「以前、そんな科学部がバイオクッキーの新薬を開発しているという噂を耳にしました」
 バイオ田中が開発した進化促進剤「バイオクッキー」と、マッド鈴木が提唱した「NYP理論」。これらの特性を併せ持った、何だかよくわからない効力により胸を進化させる秘薬だそうだ。
「それが、おっぱいをおっきくするお薬ですかー」
「はい。その名も、“パイデールX”」
「聞くだけで効果抜群そうですっ」
 こうして、物理的に胸を膨らますことのできる夢のアイテムに、期待で胸を膨らますのであった。
「ちなみに、逆の効果……つまり、女性の胸を小さくする薬、“チチヂームZ”も同時に開発しているそうです」
「それは……なんといいますでしょーか、ちょっと悲しいお薬です……」
「それでも需要はあるそうですよ?」
「わ、わふー」
 世の中分からないものだとクドは難しい顔で唸りだした。
「さて、わたし達はこれから科学部部室へと向かうわけですけど。不覚にも、巨乳帝国の尖兵を取り逃がしてしまいました」
「三枝さんですね。『これはぴんちだー、よーし、アネゴに相談するですよー』って走って行っちゃいましたから……」
「ええ。おそらく、来ヶ谷さん達は全力で薬の入手を阻止しにかかるでしょう」
「わふっ! 何故ですかっ!? 別に来ヶ谷さんのおっぱいをちっちゃくなんかしないですっ」
「はい。けれど、来ヶ谷さんは能美さんが―――いいえ、ちっちゃい能美さんがお気に入りのようですから」
「ちっちゃいは余計ですっ」
 しかし、姉御こと来ヶ谷唯湖が敵に回るとなると厄介だ。
 彼女の行動は予測することができず、何を仕掛けてくるかまったくの未知数だ。
 頭を回転させ奇策を講じてくるか、それとも奇をてらわずにその絶大な戦闘力を持って物理的に阻止しにくるか。
「一番敵に回したくない人ですね、来ヶ谷さんは」
「……それでも、来ヶ谷さんが敵に回ったとしても、私はぼっきゅっばーんを手に入れて見せるのですっ」
「ふふっ、頼もしいですね……」
 クドのやる気を見て美魚はほくそ笑んだ。
 人目につかないように裏手の渡り廊下から男子寮を出る。玄関ホールからだと、葉留佳によって女子寮から呼び出された援軍が待ち伏せしている可能性があるからだ。
「能美さん。このまま真っ直ぐ校舎へ向かいましょう」
「はいですっ」
 意気揚々と二人は学園へ向かおうとしたところに。
「ちょいと待ったぁーーっ!!」
「ここは通さんっ」
 見上げるほど巨大な壁が―――二人の大男が、往く手を遮るように聳え立っていた。
「井ノ原さんに、宮沢さんですか……」
「わふっ!? どうしてお二人がここにいるですかーっ」
「いや、どーしてって聞かれてもここ男子寮だしよ」
 頭をぼりぼりと頭をかきながら、丈の短い学ランを着た筋肉が答えた。
 リトルバスターズの筋肉要員、井ノ原真人である。
「そういう意味ではありません。なぜ、今回の件に関しては無関係のお二人が出張ってくるのでしょうか?」
 唐突過ぎる二人のクラスメイトの登場に、美魚は特に動じた様子もなく淡々と訊ねた。
「あの女―――来ヶ谷から連絡があった。お前達が、よからぬことを企てていると聞いてな」
 今度は、学園でも寮でも常に剣道着姿で闊歩する武士道男、宮沢謙吾が答える。
「……そうですか。来ヶ谷さんは、そのようにしてお二人を味方につけましたか」
 半ば諦めたように、美魚は小さく吐息をこぼす。
 この先円滑に行動するためには、この二人と彼らのリーダー、棗恭介だけは敵に回したくない。
「けれど、今直枝さんと鈴さんは眠ってますね? 恭介さんも姿を見せていないようですし、一学期の最後の日くらい、自由にさせていただいてもいいかと思います」
 クドの頭の上に?マークが三つほど浮かぶ。
 今はまだ六月の頭で一学期の最後の日ではないし、それに太陽もまだ高いというのに理樹と鈴の二人が眠っているというのも気に掛かる。何より、恭介が不在の時くらい自由にしていいのでは、というのがよく分からなかった。
「多少のことなら大目に見よう。だがしかし、お前達は、どうやら抹殺やら、撲滅やらという穏やかでない企みをしているそうじゃないか」
 確かに、撲滅を考えはした。
「そんだけじゃねーぞ。オレが聞いた話じゃ、なんでもこの世界の神になるとかなんとか言ってたそうじゃねーか」
「なってみせます、大魔王に―――とか叫んでいたとメールにはあったが、本当なのか?」
 葉留佳にとって、オッパイ魔人こと来ヶ谷唯湖を超える者には、オッパイ大魔王の称号が贈られるらしい。
 それにしてもどれだけ脚色して話したのだ、あの騒がし乙女は。
「何を企んでるかはしらねーけどよ。残念ながら、オレは“日常を守り続ける”って決めたんだ。……悪く思うなよっ」
 真人が申し訳なさそうに告げた。どうやら本心から妨害したいようではないらしい。
「まさか、能美と西園がバランスを壊す側に回るとは思わなかったが。これに懲りて、来週からは本筋を思い出すことだ」
「本筋、ですか。ここのところ、ずっと変化もなく、平坦な毎日が繰り返されているだけですよ?」
「いずれどうにかする」
「いずれでは、間に合わないかもしれません」
「時間ならある。いくらでもな」
 重苦しい―――険悪にも似た空気が美魚と謙吾との間に立ち込める。
 真人は一瞬だけ口を挟もうとして、しかし思いとどまるように眉間に皺を寄せた。
「わ、わふー。何のお話やらさっぱりなのです……」
 クドはクドでこの二人が何を話しているのかまったく理解できていない。早い話がちんぷんかんぷんぷんだった。
 しかし、この一触即発の空気だけは肌で感じてしまっている。
「あ、あのっ、ちょっと待ってくださいっ」
「あん?」
「どうした」
 ずいっと迫ってくる大男二人の迫力に、クドは思わず縮こまっていた。
「えっと、その、私は別に、悪いことするつもりなんてないです。ただ……」
「ただ?」
「ただ……なんだよ、クー公」
 クドは口ごもる。
 言えない。恥ずかしすぎて、胸を大きくしようと企てていたなんて言えるはずがないっ!
「えっと、その、あのですね……。わふー……」
 両手の人差し指をつんつんとさせながら、もじもじと二人を上目遣いに見上げるクド。
「うっ、こ、こいつは……っ」
「むぅっ、アイ○ルのチワワのような顔を……っ」
「や、やめてくれクー公っ! 切なさがっ、切なさが込み上げてきやがる……っ!」
「これではまるで、俺達が能美をいぢめているようではないか……っ」
 そんなクドに、早くも男二人はたじたじだった。
「能美クドリャフカ……くぅ〜ちゃんですか。その発想はなかったです」
 たじたじと後ずさる真人と謙吾をよそに、美魚はその神がかり的なアイディアにぽんと手を打っていた。
「その、ですから〜っ」
 クドはの場の空気が一瞬にしてがらりと変わったことになんてミジンコほども気付いた様子もなく、正直に話せば分かってくれるはずです〜っ、とか、恥ずかしいですけど私が話せば全部まるく収まるのです……って、えぅ、それでも恥ずかしいです〜、とか、妙な使命感と葛藤に苛まされていた。
 そして。
「私はただっ」
 くわっと、目を見開き
「おっぱいをおっきくしたかっただけなんです〜っ」
 わふっと、大声で激白した。
 言った。
 言ってしまった。
 顔から火が出るかもと思ったが、やっぱり出た。
「……あー」
「その、だな。能美。俺には良い言葉が見つからないが……その、頑張れ」
「わふっ! 応援されてますかっ!?」
 肩にぽんと置かれた謙吾の手にクドは目を白黒させる。
「まあ、夢を見ることに罪はない。……頑張れ」
「なんだか失礼なことを言われている気がしなくもないですけど、もう西園さんと喧嘩しませんね??」
「むぅ。別に、喧嘩をしていたわけではないんだが……。それにしても、西園も―――」
 謙吾は美魚をちらりと一瞥して。
「悩みも多いだろうが、挫けるな」
 こほんと、咳払いをしながら言う。
 ちなみに目線はすい〜っと泳いでいた。
 だいたい、おおよそ、おそらく胸元辺りから。
「……ぶっ飛ばしますよ?」
 美魚の肩には、何故か先ほど試射した試作型メガバズーカランチャーが担がれていた。
 なんだかチャージが始まっている気がしなくもないが、冗談だと思いたい。
「―――オレは反対だぜっ」
 ここで美魚が謙吾をぶっ飛ばせば綺麗にオチも付き丸く収まるという時だった。
 予想外の場所から声が上がった。
「クー公。西園。胸をでっかくしようだなんて、オレは断固反対するっ」
「どうしてですかっ! 井ノ原さんは、背のちっこい私は胸も分相応にちっこくなきゃ駄目だっていうんですか? おっきい胸を望むのは、いけないことなのでしょーかっ」
「そうですか……。つまり、ロ○コンは恭介さんではなく井ノ原さんだったということですね」
「って、違ーうっ! ついでに伏字の意味あんのか、それっ!」
 わなわなと手を震えさせる真人。
「だってよぉ、胸ってあれだろ? 脂肪の塊っていうじゃねーか。なんでわざわざ好き好んで脂肪をつけんだよ。筋肉付けたほうがよっぽどかいいじゃねーかっ! ワケわかんねーっ!」
「貴方のほうがワケ分かりません」
 流石は真人だった。
 1に筋肉、2に筋肉。3、4がカツで5に筋肉の井ノ原真人はこんな時でも判断基準は筋肉だった。
「いや、そうとも言えんぞ。ふくよかな身体は女性らしさが引き立っていて、俺はいいと思う」
 真人の筋肉の主張に噛み付いたのは、美魚でもクドでもなく謙吾だった。
「つまり、宮沢さんは巨乳好き……わたし達の敵でしたか」
「……ふんっ、くだらん」
 意味深な汗を流しながら謙吾が鼻で笑う。その口元はどういうわけかひくついていた。
「なんだよ謙吾っ! てめぇも筋肉から浮気しようってのか!?」
「何もかも筋肉を基準に考えるな、この馬鹿。そもそも、女子に筋肉を求めている時点で既に間違っているっ」
「なんだとぉ、謙吾っ! てめぇ、アレか。女の筋肉はいらねぇっていうのか!? 全国の女のボディビルダーさんに謝りやがれっ! 美を追求し磨き抜かれた肉体に謝れっ!」
「貴様の嗜好など知ったことかっ! そもそも、お前はメイド好きじゃなかったのか? 胸の大きなふくよかな女性にご奉仕されたいとか言ってたお前はどこへ行ったっ」
 あ、あの本か。
 クドと美魚の脳裏に、すっかり忘れ去ってしまっていた一冊のいかがわしい本の表紙が過ぎった。
 確かにあの本のメイドさんも、胸が大きかった。
「っだあぁぁーーーっ!! て、てめぇ謙吾っ! 何もクド公や西園の前で何暴露してやがんだよっ! そういう謙吾は巫女好きだろーがっ!」
「―――ほほぅ、どうやら命は惜しくないようだな」
「望むところだぜっ!」
 かーん、と。
 クドと美魚は、どこからともなくゴングが鳴り響いたのを、確かに聞いた気がした。
「敵同士争わせるとは、能美さん。やりますね」
「わふーっ!? これは私のせいなのでしょ〜かっ」
 ぼこすかと子どものように取っ組み合いの喧嘩を始める二人。
 いつの間にかその手にはゴボウ(真人)とネギ(謙吾)が握られていた。
「さて。能美さんがうまい具合に魅了攻撃で同士討ちさせている今のうちです」
「私、ちゃーむの魔法もてんぷてーしょんの踊りも使ってないですけど……」
「ミッション・コンプリートです。次に進みましょうか」
「わふー……。後ろ髪が引かれる思いです〜」
 手を引かれて次のステージに向かいながら、クド何度も振り返り、二人のバトルの行く末を案じていた。
「あ、宮沢さんが勝ちました。井ノ原さん、大丈夫でしょうか……」
「平気です。どれだけ敵の超人に打ちのめされても、来週になれば魂の友情パワーとやらで復活するのが筋肉ですから」
「そうなんですかっ!? 一千万の友情ぱわー、侮れません……って、西園さん、鼻血出てますよ?」
「ネギでアッーな展開を実践するなんて……。時代は宮沢×井ノ原なのでしょうか……」
 クドが最後にもう一度だけ振り返り目にした男子寮裏口の光景。
 それは、尻からネギを生やしながらうつ伏せに倒れている真人と、その横で勝ち誇ったような清々しい笑みを浮かべている謙吾の姿だった。


   §


「ふぁっふぁっふぁ。よくぞここまで辿り着いたコワッパ共〜っ! ここから先に進みたくば、この全国三百万人の三枝代表、三枝・はるちん・葉留閣下を倒してから行けぇいっ……って、美魚ちゃんなんで鼻血流してるんデスカ?」
「らるららるら〜。小毬ちゃん参上〜、ですよっ。って、はるちゃんはるちゃん。本当に三枝さんって全国に三百万人いるのかなぁ?」
 寮を超えて門をこっそり乗り越えて進入した無人の学園。その中庭のど真ん中で、穏便に事が済むはずだった今回の一件をいつものような大騒動に変えてしまった張本人(+1)が立っていた。
「やはり、来ますか。三枝さん」
「みおちんもクド公もつれないですヨ〜。あの場には私だっていたんだよ? それなのにさぁ、除け者っぽくぞんざいに扱ってくれちゃってさぁー。私がちょっとばかし人並みにオッパイあるからって僻むな〜っ、ぶーぶーっ」
「駄々っ子ですか、貴女は」
「ご、ごめんなさいです……」
「能美さんも、非がないのに謝らないように」
「わふっ、そうなんですか??」
「非がないとは、よくもまあヌケシャアシャアとっ!」
「なんですか、それは」
「やはー、ぬけぬけと、いけしゃあしゃあを合体させたはるちん用語ですヨ。斬新? 特許とっていい??」
「既出ですよ。ばっちりと」
「なんだってー!? はるちんを差し置いて造語を生産しまくってるのはどこのどいつだ〜っ」
「毎回毎回、飽きませんね。三枝さんも」
「そりゃ〜私のアイデンティティですから。それに、繰り返しは好きだよ? 何度だって楽しめる。飽きるなんてこと、ありえないよ」
 やれやれと美魚は溜息をつく。
 そして、現れた第二の刺客の隣に、当然のように付き添っている小毬に目をやった。
「ところで、神北さん」
「ほえ? 何ですか〜?」
「なぜ神北さんがわたし達の邪魔をするのでしょう?」
「んーとね、はるちゃんが、クーちゃんとみおちゃんを止めないと大変なことになる〜、世界の終わりだ〜って言うから……」
「それを信じましたか」
 再び溜息。
 何でリトルバスターズの面々はこうも容易く葉留佳の狂言に踊らされるのだろう?
「本当はみおちゃん達と争いたくはないんだよ? だけど私、りんちゃんの味方だから。りんちゃんの力になりたいから……。だから、みおちゃん達を止めるの。だって、お話はまだ途中なんだよ? 終わらせたら、ダメ、ですよ」
 一途過ぎる。一途過ぎる故に利用されている小毬に、美魚は呆れと同情の目を向ける。
「みなさん、人が良すぎです」
 たった二人のクラスメイトのために、そこまで愚直になれるだなんて。
 美魚は溜息の代わりに笑みをこぼした。「わたしには、残念ながら真似できそうにありませんけど」という呟きは、たぶん誰にも聞こえていないはずだ。
「小毬さんっ、私達はそんなことしないですっ。騙されないでください……。お願いです〜っ」
「「うっ」」
 葉留佳と美魚が同時に呻いた。
「さ、流石はわんこ。こうも簡単に私の良心に大打撃を与えるとわ……って、なんで美魚ちゃんまでダメージ受けてるんデスカ?」
「……思いだし呵責です」
 答えた美魚の目は泳いでいた。つい〜っと。クドから逃げるように。
「ほわあっ! 私、騙されてるの〜??」
 あたふたと葉留佳とクドを交互に見る小毬。
「騙してない騙してないっ。利用なんてしてないですヨ〜。それにこまりんは最初からはるちんサイドだし」
「どういうことでしょうか?」
「どういうもこういうも、元々巨乳帝国側の人間だってだけですヨ」
「巨乳帝国……」
 親の仇でも見るような目で小毬を一瞥する美魚。
 何か巨乳にトラウマでもあるのだろうか?
「わ、わふっ! 小毬さんは、きょぬーでしたかっ! おっきいんですかっ? ぼっきゅっばーんなのですかっ!?」
「ふえぇっ!? そ、そんな〜、言えるわけないよ〜」
 顔を真っ赤にして困りまくる小毬。
 どぅーゆーきょぬー? いえす、あいむきょぬーと答えられるはずがない。
「実はこまりん、こう見えてもバスト83もある隠れきょぬーで〜」
「わぁーっ、うわぁーっ、ほわあぁーっ」
 小毬、既に困り度MAXだった。
 手をぶんぶんと振りながら葉留佳の口を押さえようとしている。
「まあ、それでも80ちょっと超えレベルじゃ唯ねえには及ばないんだケド」
「貴女のその自慢げな表情に殺意を覚えます」
 胸をはる葉留佳とこめかみに青筋を浮かべる美魚。
 美魚は試作型バズーカを起動させ、葉留佳はビー玉とベーゴマとタンバリンを装備していつでも動けるようにスタンバイしている。
 二人は既に臨戦態勢だった。
「二人とも待ってください〜!」
「そうそう、喧嘩はよくないですよ〜?」
「よくないのです〜っ」
 いつの間にかクドと小毬は結託して反戦プラカードを掲げていた。
「そもそも、どうして三枝さんは私の邪魔をするのでしょ〜か……。私はただ、人並みのおっぱいが欲しいだけです。リキ好みの女の子になりたいだけなんです……」
「やはー。やっぱライバルは少ないほうがいいかなぁ〜とか思っちゃったりするんですヨ、これが。それにさぁ、大粒小粒よりどりみどり〜ってカンジで揃ってるほうがさ、プレイヤーのみんなも大満足じゃん?」
「プレイヤーとは誰でしょうか?」
「えっと、理樹くんと鈴ちゃん?」
「直枝さんが喜ぶのは分かりますが、鈴さんは喜ぶのでしょうか? ……謎です」
「ってか、小粒がないと大粒が引き立たないし」
「可もなく不可もなくの中間が大粒気取りですか」
「しょうがないじゃん、姉御には勝てないんだしさぁ〜」
 口を尖らせる葉留佳。
 どこまで行っても二人は平行線だった。
 決して交差することのない二人。
 水と油。
 クドと小毬は一触即発の事態をハラハラと見守ることしかできない。
 そして、最初に動いたのは美魚だった……!
「勝てば、いいじゃないですか」
「ほへ?」
「わたしなら、三枝さんをリトバス1の巨乳にしてさしあげられますよ?」
「リトバス1……」
「ぼっきゅっばーん、ですよ」
「……唯ねえよりも?」
「来ヶ谷さんよりも、です」
「…………」
「……」
「世の中やっぱし下克上ですネ!」
 水と油が交じり合った瞬間だった!
「わふーっ! 簡単に寝返りましたっ!?」
「は、はるちゃん!?」
 がっちりと握手を交わす美魚と葉留佳。
 そんな二人の瞳には、「打倒!巨乳」とか、「下克上!」とか、そんな感じの文字が燦々と輝いていた。
「うーん、よく分かんないけど、喧嘩にならなくってよかったよ〜」
 二人の和解にほっと肩を撫で下ろす小毬。
 しかし、次の瞬間。
「ほわぁっ!?」
「打倒!巨乳」と「下克上!」の怪しい輝きが、小毬に突き刺さっていた。
「ど、どどどどうしたの? はるちゃん? みおちゃん??」
「三枝さん。あそこにあのような隠れ巨乳が」
 ついっと小毬を指差す美魚。
「三枝さん。彼女はわたし達の敵、巨乳帝国の尖兵。よく思い出してみてください。たとえば、野球の練習の時。ランニングをしている神北さんの姿を……」
「ランニングしてるときのこまりん……」
「普段はその巨乳を覆い隠している厚手のセーターですが、その運動量を抑えきれずにたゆんたゆんと揺れていませんでしたか……?」
「言われてみればそんな気がしてきましたヨ……」
「たとえば、能美さんと神北さんのキャッチボールの時。キャッチし損ねたボールが胸に当たり、しかしボールはその胸の弾力に負けて三枝さんのところにまで転がってきませんでしたか……?」
「うぬぬっ、そんな気がしてきた〜っ」
「たとえば、木の下でお茶を飲んでいる時。お茶が熱いからと、ピンクの水玉が映えるビキニ姿でお茶を飲んでいませんでしたか……?」
「飲んでいたっ! こまりんはそのはちきれんばかりの胸を強調させながらお茶を飲んでいたぁ〜っ!」
「ふええぇぇぇっ!?? そ、そんなことしてないよ〜!」
「2cmの恨み、思い知れ〜こまり〜んっ!! はるちん下克上スパイラルアターック!」
「ほわあぁぁ〜っ」
 ばたばたと逃げ出す小毬を葉留佳はビー玉とベーゴマを投げ付けて追い立てていく。
「忘れないよ、こまりんの笑い声が溶けていったあの青空を……っ! やや快速に、陽気に奏でるような靴音とこける音とほわぁとふぇーんという泣き声に満ちたあの日々を……っ」
「ふえぇーんっ! なんで私追いかけられてるの〜??」
「……『言われてみれば、そうだったかもしれない』は、すぐに『そうだったに違いない』に置き換わってしまいますね」
「わ、わふー……。いいのでしょうか??」
「いいんです。今のうちに進みましょう。ミッション・コンプリート、です」
「さっきから同士討ちさせてばかりの気がするのです……」
「本人達も、結構ノリノリですから構わないんじゃないでしょうか」
「そういう問題なのでしょ〜か……」
 追いかけ追いかけられる二人が気になりはしたが、クドは美魚に手を引かれるまま校舎へと進んでいった。
「なんだか、流されるままな気がするのです……」
 呟きは、無人の校舎に飲まれて消えた。
「成敗〜っ!」
「うわあーんっ」
 ついでに、小毬の悲鳴も、変化のない青空に飲まれて消えた。


   §


「なんの障害もなく科学部部室までやってきましたけど……」
「わふー……。なんだか、ものすごいぷれっしゃーがひしひしと伝わってくるのですー」
 科学部部室からは言い知れぬオーラが漏れていた。
 こう、ピンク色っぽいオーラだった。
「これは間違いなく巨乳オーラです」
「きょぬーおーらですかっ!」
「この先には、間違いなくわたし達にとっての最強最悪の敵がいます」
「ついにラスボスですかっ」
「この不必要なまでのお色気オーラを放つことができるのは、おそらくこの世界にただ一人……」
 美魚は、がらりと教室の扉を開け放ち、
「来ヶ谷さん。覚悟してくださいっ。貴女に逃げ場はありませんよっ!」
 普段の美魚からは想像がつかないほどの気迫を持って、教室の中央で仁王立ちしていた唯湖に宣戦布告をした!
「まさか、能美女史を味方につけて挑んでくるとは、この私にも予想がつかなかったぞ」
「よく言います。わたしが共闘を望むとしたら、能美さんしか選択肢がないと知っているでしょう」
「うむ。美しきはぺったんこ同盟の友情というわけか」
「妙な名前の同盟を勝手に結成しないでください」
「はっはっは。美魚君の巨乳帝国というネーミングセンスもなかなかのものがあるぞ?」
「忘れてください。自分で提唱しておいてなんですが、恥ずかしくなってきました」
「うむ。インターネットで検索をかけたら、十中八九エロサイトがHitしそうなネーミングだ」
「……調べたんですか」
「良い子のクドリャフカ君は決して調べちゃいけないぞ? おねーさんとの約束だ」
「わ、わふ??」
 目の前で繰り広げられている展開に、クドは戸惑いを隠せずにいた。
「あ、あの、西園さん? 覚悟とはどういうことなんでしょうか……?」
「能美さん。おそらく、想像がついていると思いますけど。直枝さんが巨乳趣味に目覚めてしまったのは、他でもない、来ヶ谷さんの仕業です」
「そうなのですか〜……って、わふーっ! く、くるがやさんの仕業でしたか!?」
「―――やれやれ。バレてしまっては仕方がない」
 唯湖は不敵に笑うと一冊の雑誌をどこからともなく取り出した。
「そ、それはリキの部屋にあった、ぼっきゅっばーんの本……!」
「純情な少年を唆し、誘惑して、その嗜好を巧妙に操作して誘導することなど容易いさ」
「一体どんな卑劣な手段でリキを悪の道に引きずりこんだんですかっ」
「なぁに、ちょちょいと洗脳を施してやれば」
 唯湖はMP3プレイヤーをポケットから取り出すと、それを二人に放ってよこす。
『少年は本当にオッパイ大好き魔人だな。ああ、いや、そう恥ずかしがることはない。ふくよかな胸は女性のシンボルだ。ぷにぷに、ぽわぽわで、うっはうはだ……おおっと、思わず鼻血が……。少年。恥じることはない、声高らかに叫ぼうではないか。私は巨乳が好きである、と。ほうら、お姉さんも一緒に唱えてやろう。私は巨乳が好きだ、ジーク・ボイン。さぁ、少年も一緒に……』
 MP3に録音されていたデータは、その後も延々と「私は巨乳が好きだ」、「ジーク・ボイン」をエンドレスで流し続けていた。
「三日三晩これを流し続けたあと、ぼんきゅっばーんな雑誌をプレゼントしてやれば、ほぅれこの通り。少年はめでたく巨乳好きの性少年へと成長を遂げたというわけだ」
「なんて怖ろしいことを……」
 恐れおののくクドリャフカ。
 あの免疫もなにもない純真無垢な純情少年だった理樹が、今では巨乳好きの来ヶ谷唯湖二号に改造されてしまっているだなんて……!
「―――その手がありましたか」
「って、西園さん? 何を言ってるですかーっ」
 はっとなり「盲点でした」と呟く美魚。
「と、いうことは、『僕は恭介が好きなんだっ、もうこの気持ちを抑えることなんてできやしないよっ』というテープを毎晩耳元で流し続ければ…………ほぅ」
 迫真の演技で理樹の物真似を披露した美魚は桃源郷へ旅立った。
「西園さーん、戻ってきてくださいーっ」
「……はっ、失礼しました」
 緩みきった表情を、ぶんぶんと首を振って険しいものに戻す。
「来ヶ谷さん。私が貴女の計画に気付けたのは、本当に偶然でした」
「ほほう?」
「あれは、そう。先週、直枝さんが何の気まぐれか、何度目かになるわたしのルートにやってきた時のことです。わたしはいつものように、直枝さんと恭介さんが廊下でき、き、き……」
「接吻か?」
「〜〜〜〜っ!!」
「落ち着きたまえ、美魚君。話が進まん」
「……すみません。ともかく、わたしがそんな勘違いをして走り去り、直枝さんが追いかけてきて」
「華奢な西園女史はいとも容易く押し倒されてしまう、と」
「語弊がありますが、まあいいでしょう。その時、直枝さんは―――」


     「あれ、でも、それらしい感触が……」


「わたしの、その、胸を弄りながら、そんなことを呟きました」
「わふっ!? 衝撃の展開ですっ! リキがえっちですっ、せくはらなのですっ!!」
「確かに、呟いていたな」
「しかし、わたしが知る限り、直枝さんはそんなこと、絶対に口に出せないような方です。たとえ、毎回のように地の文でそう考えていたとしても、口に出すことはありませんでした」
「だが、理樹君は呟いたのだろう? 君のその75cmのふくらみに残念がるように」
「普段ならありえないことです。これはもう、誰かの悪意が介入しているに違いありません」
「……たったそれだけのことで、私が犯人だと決め付けたわけか」
「確証ならありましたよ? 来ヶ谷さんもあの場所にいましたね。直枝さんが『あれ、でも、それらしい感触が……』と呟いた時、貴女はその成果を確認してか、ガッツポーズをとっていました」
「む、それは気付かなかった。いや、なに。理樹君が私の思うとおりに成長していく様が嬉しくてな」
「……ともかくです。このような強引な方法で直枝さんを改造するなんて、許されるはずありません」
「そうか? すべての鍵を握るのは、少年の成長らしいではないか」
「こんな歪んだ成長、誰も認めません」
「だからこそ水面下で暗躍しつつ、誰にも気付かれないうちに完遂したのだ」
「周到なのか思いつきなのか、それはさておき……。このようなことをして何になるというのですか?」
「別に、深い理由はないさ。ただ、面白そうだったからな」
「……それだけの理由ですか? 本当に?」
「まあ、少年が巨乳好きになれば、毎週私のルートに遊びに来てくれるからな。ふむ、どうやら私は、少年―――理樹君とずっといちゃいちゃしていたいらしい。まったく理樹君も諦めが良すぎるというか、ヘタレというか。私にフラれたあとの選択肢で何故『やっぱり…』と諦めてしまうのだ? これではいつまで経ってもいちゃいちゃできないではないかっ」
「……来ヶ谷さん。時々貴女という人が分からなくなります」
「くそ、ままならんっ! あの選択肢さえクリアすれば蜜月の日々を送れるというのにっ」
「考えられる可能性は、今の直枝さんには『それでも…』を選択するだけの強さが備わっていないことですが」
「だから、それを選択するための強さを身に付けさせてやろうというのだ。私の親切心はかなりのレアだぞ?」
「それで洗脳ですか」
「その通り。来週からは私の時代だっ」
「強引過ぎます。少しは他の方のことを考えてください」
「そうは言うが理不尽ではないか! 私は何度繰り返しても、少年とのラブラブエンドには到達できないのだぞっ」
「来ヶ谷さんのいうラブラブエンドがどのようなものか非常に気になりますが。安心してください。まだ、誰一人としてゴールに到達していませんから」
「そういう美魚君も、少年に本を貸すばかりで何の進展もなく終わっているな。何を待っている?」
「……人を、待っています。もう、会えるはずのない人を」
「それが君の願いか」
 二人の高速ハイウェイをかっ飛ばす勢いの応酬にまったくついていけていないクドの頭から煙が立ち上る。
「あの、お二人とも一体なんのお話をしているのでしょ〜か……」
「如何にして少年といちゃいちゃするかという議論を繰り広げているだけさ」
「全然そんな感じがしないのですけど……」
「まあ、そんなことはどうでもいい。要は美魚君が、理樹君に胸をまさぐられて『小さいなぁ』と呟かれたという私怨から、巨乳を目の仇にしているのは十分に分かった」
「……わたしも、十分分かりました。来ヶ谷さんが、思いつきで直枝さんを改造して、この世界を面白おかしくしようと企てていることが」
「ならば、どうする? 私の企みを止めてみせるか? それとも、この騒動に便乗しに来たか……」
「………」
「どうやら、後者のようだな」
 涼しい顔で笑う唯湖の手には、赤と青、二種類の小瓶だった。
「わふっ、まさか、あのぽーしょんみたいな怪しげなどりんくは……っ」
「その通り。君達が望んでやまない目的のブツだ」
「……来ヶ谷さん。その薬を渡してください」
 ずいっと歩み寄る美魚。
 愛用の(?)試作型メガバズーカランチャーβを構えて、いつでもバトルを開始できるよう準備していた。
「ふむ。よいだろう。ただし、私に勝つことができたならな……!」
 唯湖は愛用の刀(模擬刀)を鞘から抜き放つと、それを水平に構えた。
「命をかけて、かかってこいっ!」
 同時に地を蹴る唯湖と美魚!
 こうして、二人の壮絶なバトルの火蓋が切って落とされた……!
「って、バトルになってしまいましたっ!?」
 クドがおろおろまごまごしているうちに、刃が輝き、閃光がほとばしる!
「止めてください、来ヶ谷さんっ」
「なんだ、口を挟むかクドリャフカ君っ! 私は理樹君を勝手に巨乳好きに改造し、君達の巨乳への夢を妨害する悪者だ。早い話がラスボスだ。西園女史に協力したからには、最後まで結託して私を打ち倒せばいいだろう」
 乱射されるバズーカの閃光を切っ先でうまく逸らして攻撃を避けながら唯湖が声を上げる。
 美魚と戦いながらクドと問答ができるほどに唯湖は余裕のようだ。
「なら、リキを元に戻してくださいっ! そうすれば、私はおっきいおっぱいなんていりませんっ! ちっちゃいままで構わないですから〜っ」
「理樹君を元に戻すのは却下だ。言っただろう? 私の望みは理樹君といちゃいちゃすることだと。元に戻してしまえば、少年は他のルートに進むことになる。長い時間をかけてようやく洗脳に成功したのだ。少しくらい夢をみてもいいじゃないかっ」
「……能美さん、む、無駄です。直枝さんを元に戻すにしても、わたし達の夢を叶えるにしても、巨乳を撲滅するにしても……っ、く、来ヶ谷さんを倒す以外に道はないのですから……っ」
「西園さん……」
 余裕綽々の唯湖と違い、美魚のほうは既に息が上がっていた。
 クドに投げかける声も途切れ途切れで、どことなく苦しそうだ。
「それに元々、私はクドリャフカ君に巨乳など必要ないと思っている。だからこれは、私の、君らの企みを阻止する戦いでもあるのだ」
「私におっぱいは必要ない……って、どーゆーことですかーっ!」
 クドはぷんすかと怒りをあらわにする。
 それはどういうことか。
 ひんぬーはずっとひんぬーのままでいろということなのだろうか……!?
「そんなの、おっぱいのある人の傲慢ですっ! ちっちゃい人のこと全然分かってないんです!」
「ならば、胸があと20cm増量された自分の姿を想像してみるといい」
「は、はい……」
 胸が20cm増量された自分の姿を思い浮かべる。
 身長145cm、バスト89cmの姿を。
「あ、あんばらんすなのです……」
「そうだ。均等が取れていない。ロリ巨乳というのもまた捨てがたいが、限度というものがあるだろう」
「ですけど、それでも私も女の子ですっ、おっきいおっぱいに憧れるんですっ」
「ちなみに、君の胸をあと20cm大きくしてみたとしよう。しかし、それでも私には―――及ばないっ」
「わ、わふーっ!!!」
 それがとどめとなった。
 クドはがっくりとうなだれ、両膝をついてしまう。
「私は、ばすとを20cmも増やしても来ヶ谷さんに勝てないんですか……」
「それどころか、90cmの大台にも乗れないのだよっ」
「きーきーたーくーなーいーのーでーすーっ!」
 B69cm。
 小柄な身体も相まって、70にすら届かない、ベストオブひんぬー。
 それが、能美クドリャフカという少女だった。
「逆に考えるといい。貧乳だからこそ価値があるのだと。貧乳はステータスだ、希少価値だとどこかのリーダーも言っていたではないか」
「恭介さんはそんなことを言ってたですかーっ!」
 誰も恭介が言ったとは言っていない。
「“パイデールX”に“チチヂームZ”だと? どこの誰が考えたかは知らんが、こんなもので私を倒せると思わないことだ」
「そ、それでもわたしなら……っ! 20cm大きくなれば貴女に勝てますっ!」
「B95cmの美魚君か。まるでエロ漫画の爆乳ようだな」
「そんなに多くは望みません。せめて80は欲しいだけです……っ!」
「だがそれでは私に勝てんぞ?」
「そのための……“チチヂームZ”です……っ!」
「まさか……っ!?」
 一瞬。
 唯湖のほんの一瞬の隙を突いて、美魚の隠し武器「試作型サイバーヨーヨー(『おまんら、許さんぜよ』と音が鳴って光るギミック付き! 特許申請中)」が、唯湖の胸ポケットに収められていた赤い小瓶を打ち抜いた!
「そんなっ!?」
 唯湖が、珍しく悲鳴にも似た声を上げた。
「―――あ」
 クドも、それで思い至る。
 胸を大きくする“パイデールX”と、胸を小さくする“チチヂームZ”。
 ひょっとしたら、あの赤い小瓶の中身は……。
「この薬は摂取するだけでなく、皮膚からも即座に吸収されて効力を発揮するそうです。……どうですか? 来ヶ谷さん。貧乳になった気分は」
 しゅるしゅるしゅる〜っと、唯湖の90cmバストはあっという間に縮んでしまった。
 シャツの下から、引っ掛かるもののなくなったブラジャーがすとんと落ちてくる。
 今のバストは、たったの70cm。
 長身の唯湖にとって、それは致命的だった。
 貧乳を通り越してぺったんこだった。洗濯板だった。
 はちきれんばかりだったYシャツも、今や胸の辺りがだぼだぼだ。
「くそっ、とんでもないことをしてくれたな……! これは人類にとって大きな損失だぞっ」
「勝負……ありましたね」
 胸を張る美魚。
 いつもなら本人同様控えめで、存在をアピールしていなかったそのふくらみが、今では唯湖の前に大きなプレッシャーとして立ちはだかっている……!
「くっ、美魚君が大きく見えるだと……!?」
「わたしの、勝ちです」
「……むぅ。いいだろう。ここは素直に負けを認めるとしよう」
 がくりと膝をつく唯湖。
 美魚はそんな唯湖から奪われていた青い小瓶―――“パイデールX”を没収すると、ほぅとどこか遠くを見つめるような瞳で、小さく吐息を吐いた。
「まさか、本当にこんな馬鹿げた薬が存在するとは……」
「ええ。わたし自身、驚きです」
「―――それはどういうことだ?」
「数時間前まで、そんな薬は存在していなかったハズですから」
「なん、だと……? まさか……っ!」
「ええ。そのための能美さんです」
「成る程。失敗した世界とはいえ、この世界はまだクドリャフカ君の望みを叶えるために動くか……」
「らしいですね。ですから、わたしは能美さんの望みを利用したまでです」
「そこまでして巨乳に憧れるとは……。美魚君もなかなか可愛いところがあるじゃないか」
「冗談言わないでください。これは、単なる実験ですから」
「実験?」
「はい。題して、無から有を作れるか?」
「それは無理な話だ。マテリアルのないものはいくらこの世界と言えども―――」
「着色した水さえあれば、それが何らかの効力を持つ薬品だと信じさせることができます。なら、影というマテリアルがあれば、どうなりますか?」
「―――君の待ち人というのは」
「……案外、再会の日は近いのかもしれません」
「……食えないな、美魚君は」
「来ヶ谷さんほどではありませんよ」
 クドは小さく笑いあう二人の様子を、少し離れた場所からぼんやりと眺めていた。
 二人が何を話しているのか、クドにはさっぱり理解できない。
 しかし、何か大切な話だということだけは、なんとなく分かった。
「何だかよく分からないうちに終わってしまいましたけど……」
 結局、最後の最後まで流されるまま流されて、あたふたと慌て、戸惑ってばかりいたクドは、その結末を見届けたあとぼそりと呟いた。
「ぺったんこになっても、私よりおっきいのですー……」
 ぺたぺたと自分の胸を触ってみる。
「わふー……」
 どういうわけか、涙が止まらなかった。


   §


「わふー……。手に入れてしまったのです……」
 寮の部屋への岐路の途中。
 クドは、美魚から分けてもらった“パイデールX”の小瓶を眺めながら呟いた。
「これを飲めば、私もついにきょぬーの仲間入りなのです……。ぼっきゅっばーんの、ないすぼでー……わふー……」
 ナイスボディへと変貌を遂げた自分の姿を想像してクドは赤面した。
―――飲む量によって、豊胸の作用も変化するようです。望むサイズの分だけ服用してくださいね。
 唯湖のバストを元に戻す際に行った実験により、この豊胸薬の効力も判明した。
 あとは寮に戻って服用するのみとなったのだが―――。
「今のリキは来ヶ谷さんのせいで、おっきなおっぱいが好きなはずですから、私もやっぱり飲むべきなんでしょーか……」
 そうでもしなければ、わざわざリトルバスターズのメンバー達と戦ってまでこの薬を手に入れた意味がない。
「今晩、ゆっくり考える必要がありそうです……」
 動かない空。
 どこかあやふやな風景。
 思わず「くわぁ……」と欠伸が出て、クドは目を擦った。
「とってもとっても眠いのです……」
 そうだ。
 今日は大騒ぎな一日だった。
 疲れて当然だ。
 だから、視界が酷くぼやけているのは眠いせい。
 6月なのに雪が降っているように見えるのも、疲れているせい。
 瞳を閉じて、次開いたらいつの間にか部屋に戻っていたり、着替えなくちゃと思った時には既に着替えが済んでいたり、久しぶりに母親の子守唄が聴こえてきたような気がしたりと、まるで夢の中にいるようだと思ってしまうのも。

 全部全部、眠いせいだ。

「すぱこーいない、のーちぃ……りき……(おやすみなさい、理樹)」

 深く、静かに眠りにつく歯車。
 この世界で、ただ一人、すべてを忘れた少女。
 自分の後悔も、自分の身に何が起きたかも、それすらも忘れて。
 今はまだ、世界の役に立てない歪んだ歯車は、今日もその役割を果たすことなく眠りにつく。
 ただ、無邪気に。
 ただ、一途に。
 また来週も、好きな人の側にいられることだけを、純粋に願いながら。


 安心しろ、能美。
 理樹は今日一日掛けてちゃんと元通りに戻しておいた。
 お前が無理して巨乳になる必要はない。
 ついでに、来ヶ谷と西園にも言い聞かせたから、もうこんな馬鹿げた事件が起きることもないだろう。

 ……今回はダメだったが、次は勉強、頑張れよ。


 そんな聞き覚えのある誰かの声も、まどろみに消えていった。
 来週になれば、もう思い出すこともない。
 いつものように。
 いつものとおりに。


 これは。
 そんな、ある終末の物語。






   §






class Scene_Title

オブジェクトの初期化

初期化しました
タイトル画面を描写します



フラグの初期化

初期化しました

継承フラグの判定:
鈴絆フラグ=1
到達END=0
小毬END=0
クドリャフカEND=0
唯湖END=0
葉留佳END=0
美魚エンド=0
謎の生物=0
14日ミッション=4
集合写真=0
リフレイン解放=0
トゥルーエンド=0

フラグを正常に継承しました


Mapの初期化

初期化しました


ステータスの初期化

―――error―――
Actor:能美クドリャフカ に属性が付加されています

新たに発見された属性:巨乳




新たに発見された属性:巨乳 は安全な属性です
この属性を初期化しますか?



 →( No      )
   ( No      )
    ( No      )



program:不明のプログラム を終了しました


program:5/13を実行します









とぅーびーこんてぃにゅー?
 →( No      )
   ( No      )
    ( No      )










  あとがきのようなもの

 はじめまして。あるいはお久しぶりです。
 辺境の最果てにてリトバスSSを書いているREIと申します。

 神海さん、原稿遅れてもうしわけありませんっ!
 一月の頭にはプロットも決まりつつあって、これは行けるだろうと思っていたらあれよあれよと言う間に期限を一ヶ月もオーバーしてしまいましたorz

 ここだけの話、実はこのプロット、二月に入ってから2回も手直しされています。
 ネタが一部かぶってしまったーっ! ……というのも大きな理由の一つですが、それとは別に、書いていくうちにやりたいことが山のように出てきてしまった、という身も蓋もない話だったりします。すみません。

 今回試したかったことの一つに、プログラムっぽい演出があります。冒頭とラストのアレです(汗
 これは別に、虚構世界=プログラムである というトンデモ解釈ではなく、リトルバスターズのゲームで遊んでたら、なんか変なフラグ踏ん付けてエラー吐き出しまくって、何だかよく分かんないウチに隠しシナリオに突入したら面白いだろうなー……という思いつきからなので、悪しからずです。
 一度DNMLとかでこんな演出やってみたいなぁーとか思ってますが、それはまた別の機会にということで。あと、巨乳属性が付加されたクドが登場する「裏リトバス」もまた別の機会ということで(ニーズは無いでしょうけどw)

 肝心のお話のテーマは、「虚構世界の中でのクドの立ち位置」。
 正直、置いてけぼりです。
 虚構世界の秘密も仕組みも知らず、事故のことも覚えていないので仕方ないといえば仕方ないのですが、話にほとんどついていけていません。
 え? これって本当にクドメインの話なの? ってくらいに流されまくっています。
 もちろん仕様です。決してREIの力量が低いわけではありません。

 ないんだってばっ(涙

 最後になりましたが、鈍亀のように執筆の遅いREIを長ーい間待ってくださった神海様、掲載本当にありがとうございます。
 そして、こんな稚拙な文章に目を通してくださった方、ありがとうございました。
 待たせてしまった分、少しでも楽しんでいただけたらなぁーと思う次第であります。

 では、また何処かでお会いしましょうー。



ばっくとぅいんでっくす、なのですっ


専用掲示板にじゃんぷですー