リトルバストーズ!



「筋肉革命だああああ!!」
「いやっほーう!! 筋肉筋肉〜!!」
「きんにくいぇいいぇい〜なのですっ!!」

 昼休み。
 今日も今日とて、私はリキと井ノ原さんと一緒に筋肉祭りに興じていました。
 いつも思うのですが、筋肉祭りに興じているリキはどうしてこんなに楽しそうなんでしょう?
 ひょっとしたら筋肉には中毒性みたいなものがあるかもしれませんね。かくいう私も既に筋肉中毒者の一員かもしれませんが。

「全く、君たちは本当に楽しそうだな。おねーさん嫉妬してしまいそうだよ」

 そんな私たちの様子を傍観していた来ヶ谷さんが呆れた様子で話しかけてきます。

「来ヶ谷さんも一緒にどうですかっ?」
「おう、来ヶ谷の姉御も一緒に筋肉祭りしようぜ!!」
「……いや、やめておこう。何故か身の危険を感じるからな」

 それは残念です……。
 何故か来ヶ谷さんの言葉に信憑性を感じながらも、短い昼休みを有効活用するために私たちは筋肉祭りを続行しました。

「理樹っ。KFCって何の略だ?」
「筋肉ファイティングチャンピオンだよね!!」
「さすがだな!! 理樹!!」

 井ノ原さんの質問にリキがノリノリで答えます。ちなみにいつもはツッコミ役のリキもこの時ばかりはボケ役です。ツッコミ不在で祭りは進んでいきます。

「クド公っ、GDPって何の略だ?」
「ぐ、ぐらまらす、でんじゃー、ぱんち……?」
「違うよクド。グレートでパワフルな筋肉だよ」
「わふー!! 筋肉無理やりですっ!!」

 などと脳みそきんにくな会話をしていると、上の階からロープで降りてきたのでしょう、ガラガラと窓を開けて恭介さんが入ってきました。
 ……冷静に考えると異様な光景のような気がしましたが、いつものことなので気にしないことにしました。
 それよりも恭介さんも祭りに誘いましょう。最近は恭介さんも筋肉祭りに参加してくれるのでとても賑やかです。

「恭介さん!! 筋肉、筋肉〜」
「……」
「あ、あれ? 恭介? どうしたの?」
「いつもみたいに筋肉祭りしようぜ!!」

 私たちの言葉を聞いても恭介さんはいつものノリノリな反応をしてくれません。それどころか哀愁の漂う視線を私たちに向けると、静かに…しかし堂々とその口を開きました。

「フッ……男にはな、いつか新しい道を見つけなきゃいけない時がくるのさ(副音声:飽きた)」

 そう言って恭介さんは私たちに背中を向け、そのまま西園さんや宮沢さんの席へと向かっていきました。
 か、カッコイイですーーーーーーーーーーーーーーーー!!
「いや、今なんか一瞬本音が聞こえた気がしたんだけど」という声が聞こえた気がしましたが、大きな背中を向ける恭介さんは大人の雰囲気が滲み出ていて……
 わ、私もあんな風にすたいりっしゅなれでぃーになりたいですっ!!

「さすが恭介、いいこと言うじゃねぇか。確かに俺たちはいつまでも同じではいられねぇ。いつか変わらなければいけねぇんだ」
「えっ、じゃあもう筋肉祭りはできないの!?」

 ……リキは本当に筋肉に目がないですねぇ、球筋にでてますよ?
 でも確かに筋肉祭りができなくなるのは寂しいです。そうならないためにも私とリキはすがるような視線を井ノ原さんに送ります。

「ああ、今日からは筋肉祭りじゃねぇ、マッスルパーティだ!! 筋肉わっしょい!!」
「流石だよ真人!! 筋肉最高ー!! いやっほーう!!」
「わふー!! きんにくきんにく〜!!」

 何も変わってない気がしますが、細かいことを気にしていたら大きな子になれませんよね。今はこうしてまっするぱーてぃです!!
 こうして私たちの昼休みはとても平和に過ぎていきました。




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 放課後
 私の頭の中は先ほどのことで一杯でした。さっきはまっするぱーてぃのおかげで気にしてませんでしたが、それが終わってしまうとそうはいきませんでした。今も私の頭の中では先ほどの恭介さんと井ノ原さんの言葉が離れません。

「どうした、クドリャフカ君? 上の空で」
「…あ、いえ!! す、すいません!!」
「しっかりしろー、ひんぬーわんこー!! せっかくこうして英語を教えてあげてるのに!!」
「キミはどう見ても教わる側だがな」

 せっかく来ヶ谷さんと三枝さんと一緒に勉強しているというのに、私の心からは先ほどの出来事がこびりついて離れません。これではお二人にとても失礼です。
 でも…私たちもいつか新しい道を見つけないといけない…いつまでも筋肉に頼ってはいられない。その言葉は私に大きな衝撃を与えました。
 私が恭介さんや井ノ原さんのような大人になるためにも、いつまでも同じではいられません。新しい道を見つける…新しい道…筋肉とは違う新しい道。

「……」
「おーい、ひんぬーわんこー」
「ふむ、閉めっきりで頭がぼやけてるのか? 窓を開けて新しい風を入れてみよう」

 新しい風…?
 そうです。新しい風を吹き込まなければいけません。私達が変わっていくために新しい風を、新しい旋風を起こさなくては!! いつまでも周りに流されてた私ですが、今度は私が皆さんを引っ張る番です!!
 ですが、一体どんな旋風を起こせばいいんでしょう? 井ノ原さんにとっての筋肉のような、私を象徴するような旋風をおこさなければ…。

「苦手な英語ばかりやったせいで、疲れてしまったか?」
「なるほど、さすが姉御!! じゃあ今度は違う教科を勉強しましょうヨ!!」

 そう言って三枝さんは立ち上がり、考え事をしていた私の目の前に立ちふさがります。一体なんでしょう?
 私は来ヶ谷さんへと視線を送りますが、来ヶ谷さんはどうやら黙ってその様子を見守っているようです。

「な、なんですかー?」
「ひんぬーわんこ。次の教科は…」

 そこまでを言うと一拍置いて、三枝さんはもう一度口を開きました。

「貧乳と物理、どっちがいい?」

 貧乳…? それは私のコンプレックスのひとつです。いつまでたっても成長しないこの身体。それが私にとってプラスに働くことはありませんでした。ですが…ひょっとして逆に考えれば、そのコンプレックスを私の持ち味にすることもできるのではないでしょうか?
 そういえば昔の偉人はこういった、とおじい様が聞かせてくれました。

『貧乳は希少価値だ。共通言語だ』

 そう考えると、私の心に何ともいえない自信が満ちあふれてきます。コンプレックスだらけだった自分を肯定したうえで、新しい自分へと…きっとここから私の世界は変えることができるのです。三枝さんはそれを伝えてくれたんですね。なら、私はその質問に答えなければいけません。
 貧乳と物理? …それはもちろん…

「貧乳ですよね!!」

「はっはっは。そりゃそうだ…ってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「ク、クドリャフカ君?」

 困惑したような二人の声がしましたが、それをあまり気にしてはいられません。いつだって新しいものを取り入れる時は風当たりが強いものです。
 とにかく今の私は皆さんと一緒に貧乳旋風をまきおこさないといけません!!

「貧乳いぇいいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!」

 呆然としている二人に背中を向けて、私は教室を飛び出します。まだこの2人を貧乳旋風に巻き込むのは難しいでしょう。物事には順序が必要なのです。
 まずはじめに貧乳旋風に巻き込むのは…あの人ですっ!!
 狙いを定めた私はとある場所へと一直線に向かいました。




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「貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!」
「…それは自虐ですか?」

 中庭の大きな木の下、そこで本を読んでいた西園さんが私へと視線を向けます。その視線は「いったい何をしているのでしょう? 筋肉祭りのしすぎで頭がおかしくなってしまったのでしょうか?」とでもいいたげだなぁ、ああん!? と井ノ原さんなら言いそうな哀れみの視線でした。

「ほら、西園さんも一緒に貧乳貧乳〜!!」
「ですから自虐ネタは…」
「それは違います!!」

 私は西園さんの言葉がいい終わらないうちにきっぱりと言いきります。

「私の目的は自虐ではありません。いえ、そもそも貧乳がこんそめすーぷであることを終わらせたいんです」
「…その心は? ちなみにコンソメスープではなくコンプレックスです」
「この貧乳旋風で世界を貧乳で包みこめば、これからは貧乳こそがぽぴゅらーになります!! 貧乳はこんすたんてぃぬすから財産へと変わるんです!!」

 困惑する西園さんに対して、私は堂々と胸を張ります(張るほどありませんが)。
 あとはこれで西園さんの心が動かされるかどうかですが…それはもう西園さんを信じるしかありません。私にできることはもうないのです。
 態度こそ自信満々な私でしたが、内心ではオギオ、ドキドキして心臓が破裂しそうです。そんな緊張感のある沈黙を破って、下を向いた西園さんが口を開きます。

「も…」
「も…?」

 も…なんでしょうか。「もう近寄らないでください」でしょうか? …もしそうだったらとてもショックです。立ち直れないかもしれません。
 それとも「もずくが食べたいです」でしょうか? …あいにくと手持ちのもずくはありません。
 ひょっとして「モンゴル行ってきます」でしょうか? …そ、そんな!? 急すぎます!! でももしそうだとしても私は西園さんが帰ってくるのをみんなと一緒に待っていますよ!!
 と西園さんの答えをオギオ、ドキドキしながら待っていると、オギオ、キラキラと目を輝かせた西園さんが私の手を握りしめました。

「盲点でしたっ!! 神がかり的なアイデアですっ!!」
「わふー!! わかっていただけましたかっ!!」

 やりました!! これで一人目確保ですっ!! この一歩は私の胸のように小さな一歩かもしれませんが、貧乳界にとってはとても大きな一歩です。さらなる飛躍のためにも、この調子でどんどん皆さんを旋風に巻き込んでいきましょう!!
 私と西園さんは向かい合って頷くと、次のターゲットの元へと向かいました。




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「貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇーい!! なのですっ」
「貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇーい!! …です」
「くちゃくちゃこわっ!!」

 次のターゲットはもちろん鈴さん。やはり城を攻めるには、まずは外堀から埋めていくのが上策です。ということで(?)まずはリトルバスターズの貧乳三人衆、別名リトルバストーズを集めることにしたのでした。
 …なんとも屈辱的なネーミングです…ですが、これが終われば貧乳三人衆(リトルバストーズ)という名も誇りに思えるに違いありません。

「鈴さん、貧乳いぇいいぇい〜!!」
「寄るなっ、きしょい!!」

 私たちは何とか鈴さんの気を引こうと貧乳サンバや、貧乳ワルツを繰り出しますが、鈴さんはそれを見ても興味が出るどころか、どんどん私たちを遠ざけようとしてきます。
 …何がいけなかったんでしょうか? ひょっとしてタンゴのほうがお好みでしたか?

「能美さん、ここは私にお任せを」
「わふっ!! 西園さん、ふぁいとですっ!!」

 自信たっぷりに鈴さんの前に立ちふさがる西園さん。その姿はまるでかの有名な軍神・上杉謙信の如し…とはさすがになりませんけど、とても威厳に溢れています。さしもの鈴さんも、自信満々な西園さんの姿にたじろぎ、逃げることができません。
 そんな異様な空気が流れる中、西園さんは静かにその口を開きました。

「鈴さん、20世紀の環境学者、ヒンニ・ユーンをご存知ですか?」
「???」

 ヒンニ・ユーン…誰ですか、それ? …あいどーんとのーです。
 それは鈴さんも同じようで、よくわからないといった顔をしています。何とか思い出そうと、私が必死に記憶の引き出しを捜していると、西園さんはどこか挑発するような態度でこう続けました。

「…と言っても、今時の高校生が、まさか知らないなんてことはありませんよね?」
「ひ、ヒンニ・ユーン…あー、あれな」

 西園さんの挑発にまんまと鈴さんは乗ってしまいました。ここから彼女の怒涛の演説が始まります。

「彼は1912年、スウェーデンのストックホルムで生を受けました。いち早く地球温暖化に注目した彼は『ない胸で救う地球』などの大ベストセラーを次々執筆。あの京都議定書はヒンニ・ユーンの著書をもとにしたということも周知の事実です」
「も、もちろん知ってるぞ!!」

 …し、知りません。ひょっとして私はふーりっしゅなんでしょうか。

「貧乳という言葉は、ヒンニ・ユーンの功績をたたえ、これからの時代のスタンダードが小さい胸であることを世界が認めたことを証明するために、彼の名前から作られた言葉、いわば名誉なのです」
「…ああ、貧乳はいだいだ」

 鈴さんは西園さんの説明に納得してますが、私には意味不明です。もうNYP(能美・よくわからない・ぱわー)です!!

「つまりは貧乳は恥じることではありません、むしろ誇るべきことなのです!! …しかし悲しいことに世界ではこの事を誤解している人が余りに多い…貧乳の参政権が認められていない国も未だ多いのが現状です」
「む、それはよくないな。かわいそーだ」
「ですがこれからの時代は貧乳がグローバルスタンダード!! 肩身の狭い思いをしている同志達のためにも、今こそ私達が立ち上がる時なのです!!」
「うん、確かにそーだ!!」
「わかっていただけましたか!!」
「ああ!! もうばっちりだ!!」

 そう言って西園さんと鈴さんは固い握手を交わします。
 …未だに西園さんの言葉が理解できない私は明らか蚊帳の外です。私がそんな疎外感を感じていると、鈴さんと西園さんが笑顔で私を手招きしてくれました。とてもいい顔をした二人が、私に合図を求めてきます。
 …そうです。悩んでる場合じゃありません。私は貧乳リーダーなんですから、皆さんを導いていかなければいけません。

「行きますよ…貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!」
「貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!」
「貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!」


 これで三人。リトルバスターズ制覇まで、残るはあと七人です!!

 …ちなみに後から聞いた話ですが、西園さんの演説は真っ赤な嘘だったらしいです…ぷんぷんですっ!!




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『貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!』
「な、何やってるんだ? お前ら」

 私たちが貧乳旋風を起こしながら校内を闊歩していると、胴着姿にジャンパーという特徴的な恰好をしている宮沢さんと鉢合わせました。私たちの一見して奇行としか見えない行動に苦笑以外できないという様子です。
 宮沢さんは男性ですが、貧乳旋風に男女の差は関係ありません。じぇんだーふりーが私たちのモットーなのですっ。もちろん宮沢さんも貧乳旋風に誘いましょう!! 以前の硬派な彼ならともかく、今の宮沢さんならひょっとしたら簡単に乗って来てくれるかもしれません!!

「ほら、宮沢さんも貧乳貧乳ー!!」
「謙吾、さっさと貧乳旋風だ!!」
「い、意味がわからん……いや、待てよ?」

 さすがの宮沢さんも貧乳旋風初見では難色を示したと思いきや、何か思い当たる節があるのか、顎に手を当てて何かを考えだしました。

「そうか…コイツらも最後に思う存分遊んでおきたいんだな。本当はもっとみんなで遊びたかったという気持ちは誰よりも俺が知っているはずじゃないか。…この世界でようやく遊べるようになったというのに、何を気遅れすることがあるんだ…」

 何やら宮沢さんはブツブツと独り言を言っていますが、その意味を理解することはできません。…ひょっとして私たちの事を危ない奴らだと思っているんでしょうか。…もしそうだったらとてもショックです。
 しかしそんな私の心配をよそに、宮沢さんは涙を流しながら私の方に向き直りました。

「う、うう…大丈夫だ。俺はお前らの気持ちはわかってるぞぉぉぉぉぉぉ!!」
「わ、わふー!? 意味不明ですが、ありがとうございますっ!!」
「宮沢さん、私たちと一緒に貧乳旋風を楽しみましょう」
「ああ…貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!」

 宮沢さんゲットです(ポ○モン風)!! この調子でドンドン行きますよ!!




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『貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!』
「ほわぁぁぁぁぁ!?」

 次に遭遇したのは小毬さん。小毬さんも私たちの怪しげな動きに絶句して固まってしまっています。
 小毬さんはなかなかの胸をお持ちです…でもそんなの関係ねぇ!!……と、どこぞの小島さんに一瞬乗り移られてしまった気が…でもそんなの関係ねぇ!! わふーっ!?

「小毬ちゃんの胸…うらやましい」
「り、鈴ちゃん!?」

 鈴さんが小毬さんの胸へと手を伸ばします。…こ、これはまずいですっ!!巨乳の魅力に鈴さんが洗脳されつつありますっ!! 卑劣な罠ですっ!!
 しかし宮沢さんと西園さんはいたって冷静でした。

「鈴、落ち着け」
「う、うん…」
「確かにこれまでは巨乳はステータスでした。しかしこれから訪れる貧乳の時代では、巨乳は異端として魔女裁判にかけけられてしまいます。…ご愁傷様です。チーン」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 西園さんの衝撃的発言に小毬さんは大きなショックを受けています。ふっふっふ、もちろんこれは小毬さんを仲間にするための作戦です。小毬さんには悪いですけど、これもこの世界を救うため…すいません、言ってみたかっただけです。

「大丈夫です、小毬さん。たとえ胸が大きくても今から貧乳旋風に参加すればおーるおっけーなのですっ!!」
「ふぇぇ、よかったよ〜」
「私たちについてきてくださいっ、貧乳が小毬さんを救いますっ!!」
「うん、がんばるよっ」

 …なんか勧誘手段が怪しい宗教団体の手口なような気がしましたが、今はそんな事を気にしている場合ではありません!!
 何はともあれ貧乳旋風ですっ!!

「ほら小毬さん、貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!」
「ようし!! 貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!」


 次行きますっ!!




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『貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!』
「いや、意味分かんないから」

 私たちの貧乳旋風に対して切れ味鋭いツッコミを繰り出したのはもちろんリキ。いつも筋肉祭りを一緒にやっている同志でもあるリキならきっと貧乳のすばらしさもわかってくれます。

「そー言えば理樹も貧乳だな。あたしより胸ないぞ」
「本当だ。まるで男じゃないか、理樹」
「正真正銘男だよ!!」

 幼馴染二人の心無い一言にリキは大きなダメージを受けてしまったようです。ガックリと肩を落としてしまったその姿はとても悲しげです。
 ああ…貧乳旋風に誘う前から機嫌を損ねてしまっては大変です。…いえ、逆に考えてみましょう。傷心のリキを貧乳旋風で慰めれば、コロッと参加してくれるかもしれません。

「リキっ、そんな時こそ貧乳旋風です!!」
「…クド、ケンカ売ってる?」

 わ、わふー!? 何故か怒らせてしまったみたいですっ!! 笑っているのは顔だけで、背中には修羅が見えますっ!!

「直枝さん、別に能美さんは貴方が女の子だと言っているわけじゃないですよ。純粋に落ち込んでいる直枝さんを心配しているんです」
「え…?」
「私としても直枝さんが女性では棗×なお…もとい、色々と困ります。もっと自分に自信を持ってください(ショタっ子として)」

 西園さんのフォローを聞いたリキは、弾かれたようにその顔を上げます。さっきまでは余りのショックに冷静さを失っていたようですが、どうやら今の言葉で自分を取り戻したみたいです。

「う、うん。西園さんありがとう。……それとゴメンね、クド。クドの気持ちをわかってあげられなくて」
「いえ、気にしないでください、リキ。でももし申し訳ないと思ってくれるなら、一緒に貧乳旋風をおこしましょう!!」
「それとこれとは話が別だよ!!」

 がーん!! こ、断られてしまいました。リキなら絶対にわかってくれると思ってたのに…。井ノ原さんとはいつも筋肉祭りしているのに、私には付き合ってくれないんですね。でもそれも仕方ありません。どうせ私は日本人でも外国人でもない中途半端なひんぬーわんこ。こんな私にリキがかまってくれるハズがなかったんです。私の胸はリトルバスターズのお荷物にもなれないほど小さいんですねー!!
 理樹の拒絶のあまりの衝撃によって、私はその場にしゃがみこみました。

「よよよ…」
「く、クド…?」
「よよよ…」

 どうせ私なんて、私なんて…皆さんにもいずれ捨てられてしまうだめだめわんこ…
 しゃがみこんだ私は、その場の地面に次々と「の」の字を書いていきます。

「直枝さん、鬼畜ですね」
「最悪だな」
「理樹君…」
「お前はそれでも漢(マーン!!)か!?」
「わー!! ごめんっ!! …ほら、貧乳いぇいいいぇいー!!」

 フフフ…何というか「の」の字を書き続ける作業が段々楽しくなってきましたよ……って、今!?

「クド、貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!」
「リ、リキ…!! わかってくれたんですねっ。わふー!! 貧乳いぇいいぇいーですっ!!」
「…貧乳が紡ぐ友情。美しいですね」
「ああ、例え誰も貧乳旋風を続けなかったとしても、俺が一人で続けてやる!!」

 皆さん……やっぱりリトルバスターズは最高ですっ!! せっかくですからこの機会にリトルバストーズに…わふー、素晴らしい響きですっ。
 とにかくリキも加わって、ついにメンバーは6人ですっ!! 盛り上がっていきますよっ!!

『貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!』




******************************




「ん? 何やってんだお前ら?」
「ほら、恭介さんも貧乳貧乳ー!!」
「へぇ、面白そうじゃねぇか。俺も混ぜてくれよ。貧乳いぇいいぇいー!!」

 さすが恭介さん!! 多くを語らなくても面白そうなものにはすぐに飛びついてくれます。これで7人目…と私は無条件で喜んでいましたが、対照的にリキ達は恭介さんに対して痛いモノを見るような視線を向けていました。

「……」
「なんだよ!? その「うわ、やっぱり来たよコイツ」みたいな目は!!」

 わふ? 本来なら歓迎すべき事のはずなのに、どうしてリキ達はそんな目を向けているんでしょう?
 そんな私の疑問に答えるように宮沢さんがやれやれと口を開きます。

「貧乳好きとは…やはりお前はロリだったんだな…」
「ド変態」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 鈴さんの発言に大ダメージを受ける恭介さん。
 ってわふー!? 恭介さんはろりーたこんとろーらーだったんですか!? …別にそれで差別をするつもりはありませんけど、そこはかとなく身の危険を感じてしまいます。…って私、自分をろりだと認めちゃってますー!!
 と私が脳内がかなりカオスになっているのを知ってか知らずか、西園さんが恭介さんに助け船を出しました。

「皆さん、恭介さんはただ純粋に面白いことをしたいだけだと思いますよ。そもそも恭介さんは貧乳好きというわけではありません」
「ああ、西園…お前だけだ。わかってくれるのは…」

 地獄の底に突如現れた女神様に、恭介さんはとてもありがたそうに話しかけます。しかし西園さんはそんな恭介さんを特に気にするでもなく、熱弁をふるい始めました。…こうなってしまった西園さんは誰にも止められません。

「まず間違えてほしくないのは貧乳=ロリではありません。世間ではロリ巨乳という言葉も蔓延しているくらいです」
「つまり恭介は貧乳好きというわけじゃなくて、単なるロリコンってこと?」
「ド変態」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 まったく助け船になってませんー!? このままじゃ恭介さんがろりーたこんとろーらーの烙印を押されてしまいます。あれ? ろーりんぐこんとろーらーでしたっけ? とにもかくにも恭介さんの名誉が…そうなってしまった場合、下手をすると恭介さんが貧乳旋風に参加してくれないかもしれません。
 その事を私が西園さんに目で訴えると、西園さんは「わかっています」と力強く頷きました。

「ですから恭介さんはロリコンだという事自体が間違いなんです」
「に、西園…」

 ないすへるぷしっぷですっ、西園さん!!

「ここで少し視点を変えてみましょう。直枝さんは胸もないし、童顔です。見事に二つの属性を兼ね揃えていると思いませんか?」
「は…?」
「つまり恭介さんはロリコンではなくショタコン…いえ、リキコン(理樹に・ゾッコン)の可能性が非常に高いです」
「ド変態」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 鈴さんの容赦ない連続攻撃によって地面をのたうちまわる恭介さんの事を、私たちは暖かく見守ったのでした…。
 鈴さん然り西園さん然り、自覚のない天然とは恐ろしいものです…。ちなみに「お前もだろ!!」というツッコミはのーさんきゅーです。




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「う、ううっ…」
「まぁまぁ、ほらもんぺちやるから元気だせ」

 自分がそこまで彼を陥れた事におそらく気付かずに、鈴さんは恭介さんを励まします。
 …明らかに逆効果だと思うのは私だけでしょうか。ですが、今は落ち込んでる恭介さんもきっと貧乳旋風を起こしているうちに元気を取り戻してくれることでしょう。

「ほら、恭介さん、貧乳いぇいいぇいーですっ!!」
「ふん、さっさと貧乳旋風しろ馬鹿兄貴。貧乳いぇいいぇいー!!」
「貧乳と出会えなかった人生なんて考えられない!! …それくらいだっ!!」
「一緒に行こう、恭介。僕らはリトルバストーズだ!!」
「お前ら…」

 地面に手をついて落ち込んでいた恭介さんに、リキがその手を差し出します。そのバックではリトルバスターズのみんなによる貧乳旋風。
 …そんなとても暖かい光景に、恭介さんの暗かった顔もだんだんと生気を取り戻してきます。あのとても魅力的な笑顔を取り戻した恭介さんは、みんなに向かって高々と叫びました。

「ありがとう、みんな…貧乳最高ー!! いやっほーーーーーーーーーーーう!!」

 ああ、ここにまた新たな友情が生まれました…と、私が余韻に浸っていると、不意に私の頭上に影がさしこみました。別に小さいからってわけじゃないです!! 光の角度の問題です!!

「はるちんいい話ブレイカー!!」
「さ、三枝さん!?」

 いつの間にか私の背後に回っていた三枝さんによって羽交い絞めにされてしまう私。

「全く、いい年した少年少女が、「ひんにゅー、ひんにゅー」って…アンタ達には常識ってもんがないのかー!!」
「いや、葉留佳さんだけには言われたくないから」

 リキの的確なツッコミに、私達も同調して三枝さんにシンクロツッコミを放ちました。それに対して一瞬ひるんだ三枝さんでしたが、割と素早く立ち直ると私たちに反論してきます。

「なにさー!! 今回に限っては、はるちんの方がよっぽど常識的デスヨ!! …はっ、まさかこれがオオカミ少年という奴の恐怖!?ってことははるちんオオカミさんに食べられちゃうヨ!! HELP ME HARUCHIIIN!!」
「わふー!! 流暢な英語ですー!?」
「いや、自分に助け求めてどうするのさ。というか脈絡なさ過ぎ」

 三枝さんの英語はとてもねいてぃぶっぽかった気がしたんですけど、どこか間違っていたのでしょうか? わんだほーいんぐりっしゅです。
 って関係ない方向に話がズレてしまいました。さっきは誘うのは難しいと思っていたので後回しにしてしまいましたが、三枝さんにももちろん貧乳旋風に加わってもらわないといけません。今の私ならだいぶ貧乳経験値もつきましたし、貧乳仲間もたくさんできました。きっと三枝さんもわかってくれます。

「三枝さんも貧乳旋風に…」
「フッフッフ、はるちんがそんな手にかかるとでも思ったかー!! 残念だけど私は姉御に言われてクド公の暴走を止めるために来たんだヨ!!」
「わ、わふー!?」

 し、しまったですー!! 確かに私はお二人に貧乳旋風がどれだけ崇高な事かを説明していませんでした。さっきの流れではお二人にとって私が奇行に走ったようにみえてしまったのは仕方のないことです。
 で、ですが困りました…せっかく人数も集まってきたのに、このままここで貧乳旋風は終わってしまうのでしょうか…と私が不安に思っていると、今まで沈黙を守っていたリキが三枝さんにたいして興味もなさそうな様子でに口を開きました。

「そっか。じゃあね、葉留佳さん」
「へ…?」

 リキはそう言うと笑顔でひらひらと手を振ります。
 わ、わふ!? 急にどうしたんですか、リキ!? そんな簡単にあきらめて…
 しかし私の思いとは裏腹に、恭介さんや西園さんもリキに続きます。

「三枝、俺たちは俺たちで盛り上がるから無理に参加しなくてもいいぜ」
「ええ、別に一人減ったところで大差はありません。お疲れ様です、三枝さん」
「え、えぇー…」

 三人はそう言って何の躊躇もなしに三枝さんに背中を向けました。その姿に他の皆さんも続きます。
 …あれ? ひょっとして私おいてけぼりですか?
 取り残された寂しさに耐えかねて、私が皆さんを呼びかけようとした瞬間、先に私を捕まえていた三枝さんの方から叫び声をあげました。

「ま、待ってぇー!! 置いてかないでぇー!!」
「…計算通り(ニヤリ)」

 い、今小声でしたが三人から黒い声が聞こえた気がしますー!!
 …皆さんの口元が緩んでいるのが背中越しでもわかります。

「えー、でも貧乳旋風に参加しない人を待つ義理はないなぁー」
「さ、参加する!! 参加するからぁー!!」
「わふー!! やりましたっ!!」

 なるほど、無理に誘ってもダメそうだったので、あえて三枝さんを仲間外れにすることで、逆に向こうから参加させるという作戦…つまりおしてだめなら引いてみろということですか。こういう戦法を『つんでれ』と言うとおじい様は言っていました。そんな高度な作戦をこうも簡単に成功させるとはお見事です…若干黒かった気もしましたが。
 とにかくリキ達のとっさの機転によって三枝さんを仲間にすることに成功しました。残るリトルバスターズはあと二人です!!




******************************




『貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!』
「わふー!! 貧乳は世界を救いますっ!!」
「なわけあるか…」

 呆れたような声のする方向に振り返ると、そこには頭を抱える来ヶ谷さんの姿がありました。三枝さんに続いて、貧乳旋風阻止を狙う刺客ぱーと2というわけですね。
 しかしこの光景というか構図…どこかで見たような…デジャヴですかね?

「いい加減にしろ。貴様ら」
「そんなこと言わないでさ。ほら!! 来ヶ谷さんも貧乳貧乳!!」
「くっ、理樹君。ツッコミ役の君がそんな体たらくでどうするんだ」

 私たちを見回して大きな溜息を吐く来ヶ谷さん。その眼が恭介さんの事を捉えると、その眼付を一層鋭くしました。

「おいおい、なんだよその眼は?」
「…恭介氏は一体何をしているんだ?」
「貧乳旋風」
「そう言うことではない。こんなことをして何のメリットがある?」
「楽しいじゃねぇか!!」

 ひゃっほう!! という声が聞こえてきそうなくらいに嬉々として声をあげる恭介さんに、来ヶ谷さんはガクッとその肩を落として、またしても大きな溜息を吐きます。

「とにかくだ、私は参加しないぞ。これで貧乳旋風は不完全だ」
「そ、そんなー、姉御ー!!」
「…葉留佳君。完全にミイラ取りがミイラになってるではないか。まぁ君もせいぜい楽しんでくれたまえ」

 そう言って来ヶ谷さんはくるりと背中を向けました。
 た、大変です。来ヶ谷さんの言う通り、貧乳旋風は10人で起こして初めて完成します。このまま来ヶ谷さんが参加してくれなければ、貧乳旋風は不完全なものとなってしまい、世界を貧乳で包み込むことや、貧しい胸の子たちを救ってあげる事が出来なくなってしまいます。…だからと言って無理やり貧乳旋風に引き込んでも仕方ありません。自分の意志で参加してこそ意味があるのです。

「こ、困りました…」

 しかしどうすればあそこまで貧乳旋風を拒絶している来ヶ谷さんを振り向かせればいいんでしょう。あまりいいとは言えない私の頭では、いくら考えても策は出てきませんでした。
 私がそうやって頭を抱えていると、恭介さんがちょいちょいと私たち女性陣を手招きしました。
 …いったいなんなんでしょう?

「お前ら、来ヶ谷を囲って貧乳旋風してこい」
「ふぇ? でもゆいちゃんは参加しないって…」
「いいから、俺に任せとけ」

 そう言って恭介さんはグッと親指をつきたて、何かを企むような笑顔を見せました。
 私には彼の意図はさっぱり理解できませんでしたが、恭介さんの事です。私たちには及びもつかないような考えがあるのかもしれません。それにこのままではどちらにせよ貧乳旋風は未完成です。平和な貧乳世界のためにもここはれっつせんせーしょんなのですっ!!

「みなさんっ!! いきましょう!!」
「ようし!! おっけーだよっ!!」
「あたしに任せろ!!」
「フフフ、姉御もひんぬーの世界に浸からせてあげますヨ…」

 私の呼びかけにみなさんも力強く答えてくれます。

「みなさん、頑張ってください」
「お前も行くんだよ」
「…え? わ、私もですか? 私はあくまでマネージャーで…(副音声:バテマシタ)」

 恭介さんはのんきにお茶を飲んでいた西園さんの襟首をむんずと掴むと、私たちの所へと引きずって連れてきました。「…セクハラです」などと西園さんはのたまっていましたが、仲間は多い方がいいので、そんな小さいことは気にしません。
 こうして貧乳五人娘を作り上げた私達はすぐに来ヶ谷さんを追いかけ、その周りを囲みました。西園さんが既に肩で息をしてますが大丈夫でしょうか…。

「…クドリャフカ君。その意気は認めるが、今更何をしたところでおねーさんは貧乳仲間には…」
「れっつひんにゅうせんせーしょん!!」
『貧乳わっしょい!! 貧乳わっしょい!!』

 私たちは必死に貧乳旋風を続けますが、来ヶ谷さんはそれに見向きもせず、悩ましげに自らの頭を抱えています。
 やっぱり貧乳旋風で世界を変えることは不可能なんでしょうか…。
 そんな私たちの思いをあざ笑うかのように来ヶ谷さんは下を向いていた顔をあげ、

「ふぅ、だから無駄だと……なにっ!?」

 …絶句しました。

「わふ? 来ヶ谷さんどうかしましたか? ふーあーゆー?」
「め、め、め…」
「め…?」

 来ヶ谷さんはちょうど鈴さんの方向に視線を向けたまま完全に固まっています。何事かと私達も鈴さんの方向を注視しますが、急に集まった視線におっかなびっくりしている鈴さん以外は、特に変わったところは見られません。
 一体来ヶ谷さんは何を見たんでしょう…? はっ、まさか見えてはいけない人ですか!?
 などと一人で盛り上がっていると、来ヶ谷さんは戦慄したようにその身を震わせながら口を開きました。

「メイド服だとぉ!?」
「こわっ!?」
「あ、姉御ー!? どうしちゃったんデスカ!?」
「くっ、鈴君にメイド服なんて…萌えずにはいられないではないか!!」
「…何言っていってるんだコイツ?」

 いきなり奇声をあげて食い入るように鈴さんを凝視する来ヶ谷さんに、鈴さんを始め私たちは戸惑いの色を隠せません。余りの事態に思わず貧乳旋風を止めようとした私たちに、背後でその様子を見守っていた恭介さんから喝が飛びました。

「お前らっ、貧乳旋風を緩めるな!!」
「わ、わふっ…貧乳いぇいいぇいー!!」
「…いぇいいぇいです」
「ぐはぁっ!? 美魚君は巫女服だと!?」
「…コスプレは趣味じゃないんですが」

 私たちが貧乳旋風を起こす度に、来ヶ谷さんが身悶えます。
 背後から「なにぃ!? 巫女服だとぉ!?」という宮沢さんの声が聞こえてきましたが、西園さんはおろか、どこを見回しても巫女服の女性なんて存在しません。一体来ヶ谷さんの眼には私たちがどう映っているのでしょう?

「姉御ー!? 私は私はっ!?」
「にしおか○みことはこれまたマニアックな…だがそこが激しく萌える」
「えー!? なんではるちんだけそんな扱いっ!?」

「さいぐさーはるかだよっ!!」とあのコスチュームで叫ぶ三枝さんを想像してしまいましたが、かおす過ぎたので忘れる事にしました。

「こ、コマリマックス……すまないが向こうに行っていてくれないか? …お、おねーさんには刺激が強すぎるようだ」
「ふぇぇぇぇぇぇ!? 私一体どんな格好してるのー!?」

 来ヶ谷さんの中で小毬さんがどんな格好をしているのかはわかりませんが、彼女は小毬さんから逃げるように鼻を押さえながら顔をそむけました。そんな彼女と私はばっちり目が合ってしまいます。
 瞬時に固まった彼女は信じられないと言わんばかりの視線を私に浴びせてきます。
 わ、私は一体どんな格好をしているんでしょう?

「……」
「…く、来ヶ谷さん?」
「白スクは反則だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「わ、わふーーーーーーーーーー!?」

 来ヶ谷さんは、今まで堪えてきた分もあったんでしょう、一気に鼻血を噴出すると仰向けでその場に倒れこみました。

「ひ、貧乳いぇいいぇい…ガクッ」
「…一体くるがやに何があったんだ?」
「それはわかりませんが、どうやら彼女も貧乳旋風の素晴らしさに気づいてくれたみたいですね」
「結果おーらいなのですっ!!」

 これでいよいよ九人ですっ。あと一人で貧乳旋風INリトルバスターズが完成しますっ!!
 でも確かに来ヶ谷さんに一体何があったんでしょう? …その幸せそうな顔を見る限り大丈夫だとは思いますが少し心配です。

「なるほど、こういうやり方もできるのか。…覚えとこ」


【恭介は視界ジャックを覚えた!!】


 わふー!! 一瞬変なテロップが流れた気がしますっ!?




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「みなさんっ、ブラコンは何の略ですか!?」
『ブラジャー・コンプレックスー!!』

 来ヶ谷さんという新たな同志を得た私たちは、声をあげながら寮内を練り歩きます。目的地は最後の一人、井ノ原さんの待つ(予定)彼の部屋です。

「鈴さんはブラコンですかっ!?」
「くちゃくちゃブラコンだ!!」
「…なんだか言いえて妙だね」

 ちなみにこれは私の考えた『ぶらこんこーる』です。ブラジャーがをする必要がなくても、これからはコンプレックスを抱く必要がないという事をあぴーるするのが目的という、時代の最先端を突き進んでるコールです。

「小毬さんはブラコンですかっ!?」
「ブラコンだよっ!!」
「…小毬さんにお兄さんなんていたっけ?」

 このコールに胸の大きさは関係ありません。小毬さんや来ヶ谷さんも勿論うぇるかむです。

「恭介さんはブラコンですかっ!?」
「おう!! ブラコン最高!! いやっほーう!!」
「ええええええええ!? あらゆる意味で間違ってない!?」

 もちろん性別も全く関係ありません。必要なのは貧乳への熱い心。ガッツと勇気とそして友情です。

「さっきからつべこべ言ってるリキ!! …リキはブラコンですかっ!?」
「もちろんさぁ!! どれくらいかっていうとハンバーガーが4個分くらいかな!!」

 リキもいい具合に貧乳に染まってきていますね。…これで最後に井ノ原さんが加わってくれれば貧乳旋風はあるてぃめっとすたいるへと昇華することができるでしょう。ですがそれには彼の代名詞でもある筋肉が立ちふさがります。筋肉らぶな井ノ原さんになんとか貧乳の魅力を伝えなければ。
 そんな事を考えているうちに彼の部屋の前へとたどり着きました。…ここが最後の決戦の場です。いざ、関ヶ原ですっ!!
 決意を胸に秘めた私たちは一気に部屋へとなだれ込み、井ノ原さんへと猛然と詰め寄りました。
 こういうものは出だしが肝心ですっ!! 一気に決めます!!

「井ノ原さーん!! 貧乳いぇいいぇいー!!」
『貧乳いぇいいぇいー!!』
「…ったく、うるせぇなぁ、今勉強中なんだよ」

 そんな井ノ原さんの発言に、一瞬でその場が凍りつきました。
 ぽくぽくぽくぽくちーん(只今思考停止中、しばらくお待ちください)。
 …えーっと、今井ノ原さんは何と仰いました…? What did he say just now? ってあまりに驚きすぎて流暢な英語が喋れました!!

「ってうぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!? 真人が勉強!?」
「はっはっは、冗談にしては面白かったぞ。真人少年」
「へっ、なんとでも言え。俺はあの時から物理に目覚めちまったのさ」

 そう言って自分の手に取った物理の本を開く井ノ原さん。
 それにしてもあの時っていつでしょう? どこがでそんな事があった気が…。

「その時、まだ誰も気づいていなかった…。この事があの恐ろしい事件の予兆だったとは」
「ほわぁ!?」
「…変なナレーションを入れないでください」

 ちなみにそんな謎のナレーションを入れたのはもちろん恭介さんです。
 でもどうして急に井ノ原さんは物理に目覚めてしまったんでしょう。いつの日か『物理旋風』を巻き起こすつもりなんでしょうか…全く心躍りませんっ!!

「いやな、どれだけ筋肉を鍛えれば物理法則を変えられるかと思ってな」

 私の疑問に答えるかのような井ノ原さんの発言に、またもや室内の空気が凍ります。

「俺の計算が正しければ1Gの重力がかかっている場合、10K(筋肉)の浮力が働けば空を飛べるはずなんだよ。ちなみに10Kは1秒間に腹筋を10回することだ」
「…いや、どこからツッコめばいいのかわからないけど、とりあえずその計算間違ってるから」
「うぉぉ!? 10分も頑張ったのにぃぃぃ!!」

 やっぱり井ノ原さんは井ノ原さんでした。……って完全にペースを握られてます!? 始めから貧乳フルスロットルだったはずなのに、げに恐るべきは筋肉です…。
 ここはもう一回始めからやり直すべきでしょう。一度崩れたペースを作り直さなければいけません。

「井ノ原さん、貧乳いぇいいぇいー!!」
『貧乳いぇいいぇいー!!』
「…クド公」
「井ノ原さんっ、一緒に旋風を起こしましょう!!」

 そう言って私はその場に座っている井ノ原さんへと手をさしだします。この手を井ノ原さんがつかんだ時が貧乳旋風完成の瞬間です。覚悟していたことですがとてもどきどきします。その場を流れる異様な空気に、私の小さな心臓ははねあがり、思わず私は唾をのみこみます。

「…へっ、そこまで来たんなら、もう十分だな」

 そんな嫌な空気を変えたのは、全てを悟りきったような井ノ原さんの笑顔でした。井ノ原さんは私の手を優しく握りしめます。
 や、やりましたっ!! 今ここに新たな旋風が誕生しました!!

「後は任せたぜ……『筋肉旋風』」
「わふー!? 前後の文脈、完全無視ですっ!!」
「へ、違うのか?」

 どうして「貧乳いぇいいぇい」から筋肉に繋がるんですかー!? わんだほー井ノ原さんですっ!!

「井ノ原さんっ、私たちが起こそうとしているのは『貧乳旋風』です!!」
「俺は降りるぜ」
「決断早っ!!」
「そう言わずに説明を…」
「…悪いが筋肉神様が言ってるんだ「すじにくときんにくって漢字は同じだよね」とな」
「意味分からないよ!!」

 そう言って井ノ原さんは筋トレを始めました。思ったとおり、さすがに強敵です。きっと彼の中ではここで筋肉から貧乳に浮気することはやってはいけないことなのかもしれません。
 ですが…ですが私たちにもここで引けない理由がありますっ!! どうしても理解してもらえないなら、とるべき道は一つです!!

「井ノ原さん、勝負です!! 貧乳と筋肉を賭けた真剣勝負で決着をつけましょう!!」
「…面白ぇじゃねぇか」

「それを待ってたぜ」と言わんばかりに井ノ原さんが立ち上がりました。背の小さい私から見れば、まるで山のような巨体を持つ彼が、挑戦的な眼で私を見下ろしています。いえ、この場合挑戦者はむしろ私。筋肉好きの彼に無理矢理貧乳旋風に付き合ってもらおうというのですからこれくらいの展開はあってしかるべきです。
 理不尽だという事は十分にわかってます。ですがそれでも、女にはやると決めたらやらなきゃいけない時があるのです!!

「フッ、熱いバトルの予感がするぜ」
「…いいのかよ、恭介。クド公を止めなくて」
「まぁたまには脇道にそれたっていいじゃねぇか。こんな面白そうなイベント見逃せるか。それにお前だってここで止められて納得するのかよ」
「へっ、そりゃそうだな」

 井ノ原さんが恭介さんと何かを交わしているようですが、その意味を理解することはできないし、今はする必要もありません。今、私がすべきことは、貧乳旋風達成のため井ノ原真人という男に打ち勝つことです!!

「よし、ルールは簡単だ。直接攻撃は一切なし。お互いの貧乳、そして筋肉に対する愛情のみで先に相手を倒した方が勝者だ」
「どんなバトルさ…」
「どれも等しくバトルさ。よし、双方準備はいいか!?」
「いつでもOKさ」
「のーぷろぐらむですっ」

 これが最終決戦です。最後は正真正銘私ひとりの力で勝利をもぎ取って見せます!!
 私たちの顔を満足そうに眺めた恭介さんは、天高く振り上げた右手を一気に振り下ろしました。

「バトルスタートだ!!」


〜〜BATLE START!!〜〜

「行くぜっ!! 筋肉サブプライムローン!!」
「なんのっ、貧乳すぱいらるしーくえんす!!」
「くっ、なんてぶつかりあいだ。二人とも響きのよさそうな横文字をひたすら並べている…」
「うん、100わけわからんポイントくらいは獲得できそうだね」

 こうして私と井ノ原さんの長い戦いの火ぶたが落とされました。




******************************




「なんて壮絶な戦いだ…」
「ええ、バトル開始から、かれこれ3時間はたっていますね」
「あそこで筋肉ガラパゴスをヒンニューヨークでかえしたのはおどろいたよ〜」
「…省略しすぎだと思うのは僕だけかな」
「言うな。今回いろいろ長くなりすぎなんだ」

 とまぁみなさんが説明してくれたとおり私たちはお互いの愛を余すところなくぶつけ合っていました。…なんだか誤解を招きそうな言い方です。
 とにかくお互いの得意分野(?)と言う事で、私も井ノ原さんも一歩も引きません。…でも、

「筋肉エコノミークラス症候群!!」
「あうちっ!?」

 井ノ原さんの筋肉技に5mほど吹き飛ばされる(イメージ)私。必死に食い下がる私ですが、井ノ原さんの筋肉愛の前に徐々に押され始めていました。その証拠に私はすでに肩で息をしているにもかかわらず、井ノ原さんの様子はバトル開始の時と何も変わっていません。

「悪いなクド公。お前の貧乳好きと俺の筋肉好きじゃあ年季が違うんだよ」
「…確かにそうかも知れません。ですがっ!!」
「筋肉セカンドオピニオン!!」
「ああっ!!」
「クドっ!!」

 うう…恐るべき井ノ原さんの筋肉愛。一朝一夕の私の貧乳愛とは違う底知れない深さを感じます。

「俺の筋肉愛には何人たりとも勝てねぇよ。もうギブアップしな。楽になるぜ?」
「…うう」
「お前、本当によく頑張ったじゃねぇか。このバトル…今までのクド公からは考えられないくらい強い意志を感じたぜ。…だからさ、もういいだろ?」

 井ノ原さんの優しい言葉が私の耳へと届いてきます。
 ああ、私は本当に頑張れたんですね。…いつも人に流されて、自分の強い意志を持てなかった私が、引っ張ってもらう事を待って、自分から何かをしようとしなかった私が…そんな私が自分の意志で皆さんをここまで引っ張ってこれたんです。それは皆さんからすれば些細なことかもしれませんが、自分にとってはとても大きな一歩です。その一歩が踏み出せただけでもう十分です。貧乳旋風は結局未完成でしたが……それでも私は最後に掛け替えのないモノを手に入れられましたから。

「ちっ、まだ立つのかよ」
「…当然です」

 それでも…それでも私は立ち上がりました。確かにここで諦めるのは楽かもしれません。でも…

「皆さんはこんな私についてきてくれたんです。皆さんのためにも貧乳旋風を達成するまでは倒れるわけにはいきません」
「クド公…」
「この貧乳旋風のリーダーは私なんです。皆さんのためにも自分のためにも、私にはこの貧乳旋風を完成させる責任がるんですっ!!」

 そうですっ、どんな困難が待っていようとここで諦めるわけにはいきません。それが皆さんを旋風に巻き込んだ私の義務なんですっ!!
 よろめきながらも立ち上がった私は、まっすぐに井ノ原さんの眼を見つめます。なんて高い壁でしょう。
 それでも私はこの壁を乗り越えなければ…と私が決意を固めていると、背中から戦いを見守っていた恭介さんの大きな声が聞こえてきました。

「よく言った能美!!」
「き、恭介さん…?」
「リーダーとしてその覚悟は見事だ。…だが、お前は一つ大事なことを忘れている」

 恭介さんは私に向けて親指をぐっと立てると、いつものように子供のような笑顔を見せて口を開きました。

「お前は一人じゃない!!」
「え…?」

 その言葉で、私が弾かれたように皆さんの方向に振り返ると、そこあったのは…必死に応援してくれる皆さんの姿。

「クーちゃん頑張れー!!」
「貧乳旋風は不滅だっ!!」
「おねーさんに見せてくれ、君の貧乳への想いを」
「ほらほら、ひんぬーわんこ!! 真人君なんて軽ーくひねっちゃってヨ!!」
「…能美さん。私たちは自分の意志であなたについてきたんです」
「うん、あたし達はみんなクドの事が好きだからな」
「クド、負い目を感じる必要なんてないよ。クドはクドのやりたいことを精一杯やってくれればそれでいいんだ」
「皆さん…」
「よしみんなっ、クドに向かって貧乳旋風を送ろう!!」
『貧乳いぇいいぇいー!! 貧乳いぇいいぇいー!!』

 その暖かい光景に私は思わず涙が溢れそうになってしまいます。ですが、ここで涙を流すわけにはいきません。涙は…貧乳旋風を完成させた時のために取っておくんですから。

「井ノ原さん」
「ん?」
「…これで、最後です。これを防がれたらもう私には次を放つ力はありません」
「へっ、最後の撃ち合いってか…いいぜ、その勝負乗った!!」

 私たちは最後の…渾身の一撃を繰り出すための構えをとります。井ノ原さんに言ったとおり、私には次を撃つ体力はありません。ならば、この一撃に私の貧乳愛を……私の全てを込めます!!

「行きます!! 貧乳くろすふぁいあー!!」

 私は最後の力を込めた一撃を井ノ原さんへと放ちました。真直ぐに井ノ原さんへと向かっていく貧乳の波動。
 井ノ原さんはその一撃を引きつけて、引きつけて、彼の渾身のカウンターアタックを……放ちませんでした。
 え…?
 守るものがなくなった井ノ原さんに、私の貧乳くろすふぁいあーが直撃します。そして、彼はその大きな膝をおって地面に倒れました。

「…俺の負けだ」
「…ど、どうして反撃しなかったんですか!? 井ノ原さんなら今の技を返す事だって出来たのに!!」
「なぁ、クド公…」

 井ノ原さんは私の質問には答えず、逆に私に対して聞いてきました。何かを悟りきったような穏やかな笑顔で私の瞳を見つめてきます。
 …こんな表情をしている井ノ原さんを見るのは初めてです。

「これからは、楽しいことがたくさん待ってんのかな…」
「井ノ原さん…」

 何となく、本当に何となくですけど、わかった気がします。井ノ原さんが反撃しなかった理由、私に勝たせてくれた理由が。…井ノ原さんは始めから、私に勝ちを譲るつもりだったんですね。私にリーダーとして大切なことを気付かせるためにあえて壁となって立ちふさがってくれたんです。なんて大きな人でしょう。
 それなら私はリーダーとして、最後まで私のために戦ってくれた井ノ原さんの質問に答えなくてはいけません。

「もちろんですっ!! きっとたくさん待ってます!!」
「そっか…」
「一緒に行きましょう、井ノ原さん!!」
「……ああ!!」

 今度こそ、井ノ原さんは私の伸ばした手を満面の笑顔でがっちりと握り返しました。

 今ここにリトルバスターズ10人の貧乳旋風が完成したのです。

「やったね、クド!!」
「これでリトルバスターズ内では貧乳旋風も完成だなっ」
「……」
「クド?」

 確かにリトルバスターズの貧乳旋風…おぺれーしょん、リトルバストーズは完成しました。ですがそれ以上にこの貧乳旋風を通じて、私はたくさんの物を得ることができました。皆さんで遊ぶことの楽しさ、皆さんの本当の家族のような暖かさ、そしてほんの少しかもしれませんけど自分の成長、他にもたくさんの物をこの貧乳旋風は私に教えてくれました。もし皆さんもそう思ってくれていたならとても嬉しいです。
 と、私が満足感に浸っていると、恭介さんが私の頭をポンっと叩きました。

「ほら能美、俺たちの戦いはまだこれからだろ?」
「…打ち切りのマンガじゃないんですから」

 良く見ると、皆さんが私の方に信頼を込めた視線を向けてくれています。きっと私の指示を仰いでいるのでしょう。それで、ここで貧乳旋風を終わらせようという自分の甘い考えは完全に消え去りました。
 …皆さんがやる気ならやることはただ一つです。貧乳旋風は始まったばかりなんですから!!

「皆さん、貧乳旋風を世界に広めましょう!! れっつぐろーばるすたんだーどですっ!!」
『いやっほー!! 貧乳最高ー!!』

 私たちは登り始めました…長い、長い坂道を…




******************************



「おーい、ひんぬーわんこー」
「…はっ!? ひょっとして寝てましたか?」
「ああ、それはもうぐっすりだ。おねーさん危うく襲いかかるところだったよ」

 どうやらお二人との英語の勉強中に眠ってしまっていたらしいです。と言う事は今のは全て夢…?
 夢オチは一番使っちゃいけないってどこかで聞いたことがあった気がしましたが、気のせいですかね。…って私はどんな夢を見てるんですかっ!! カオスすぎますっ!! そもそも貧乳旋風って…わふー!! 思い出すだけでも恥ずかしいですっ!!

「ふむ、閉めっ切りで頭がぼやけてるのか? 窓を開けて新しい風を入れてみよう」

 来ヶ谷さんによって開けられた窓によって、涼しい風が私へとあたりますが、その程度では熱さましにもならないくらい私の顔は熱くなっていました。お二人はそんな私の事を心配げに見つめています。
 …本当の事を言うわけにもいきませんし、どうすればいいんでしょう。

「苦手な英語ばかりやったせいで、疲れてしまったか?」
「なるほど、さすが姉御!! じゃあ今度は違う教科を勉強しましょうヨ!!」

 そう言って三枝さんは立ち上がり、考え事をしていた私の目の前に立ちふさがります。
 一体なんでしょう?
 私は来ヶ谷さんへと視線を送りますが、来ヶ谷さんはどうやら黙ってその様子を見守っているようです。
 この光景に強烈なデジャヴがするのは私だけでしょうか…?

「な、なんですかー?」
「ひんぬーわんこ。次の教科は…」

 そこまでを言うと一拍置いて、三枝さんはもう一度口を開きました。

「貧乳と物理、どっちがいい?」








 うぃっちさぶじぇくとどぅゆーちょいす?
  1、貧乳
  2、物理












完!!            わふー!!投げっぱなしジャーマンなのですっ!!











これを読んでくれた皆さん!! まずは皆さんに言っておきたいことがあります!!






ホンットごめんなさいでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!



いや、まじでスイマセン。このカオスはやばすぎますね…。クドの頑張ってる姿を書こうとしたらいつの間にかこうなってました。でも今回は祭りと言う事でこんなふざけたSSでも神海さんは許してくれるに違いありません!!
そしてこんな長すぎるカオスSSを読んでくださった皆様に深い感謝を…ちなみにタイトルはくどふぇす開催決定からこれと決めてたんですが…アンソロを見たら何と被ってるじゃありませんか!! …うわーーん!! どうかご容赦を!!
ちなみにこれは虚構世界の出来事と言う事で。細かい時系列は考えてません!!←どうしようもない
まぁ感動する話や、ほのぼのする話や、エロい話はきっと他の皆さんが書いてくれますヨ!! という事で俺はカオス担当と言う事で!!
クドシナリオは、単純に見えて難解なんで、理解しないで叩いてる人が多いという一番不憫なシナリオだと思います。そんなクドに光を当てようというこの企画は素晴らしい!!←フォローのつもり。   って俺のSSクドシナリオノータッチじゃん!?

このSSはどうしようもないカオス職人手負い(っておい!?)の提供でお送りしました!!
よかったら感想いただけると嬉しいです!!



ばっくとぅいんでっくす、なのですっ


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